日本電産 例の株式分割問題 なんら納得せず、永守会長は高い株価が好き?

日本電産 例の株式分割問題 結局、永守会長は高い株価が好き?

本日午後は日本電産とオプテックスのIRセミナーでした。どちらも楽しめましたし、あたらしい知見も得られました。

相変わらず、立て板に水の浦郷さん

日本電産のスピーカーはIR・CSR推進部部長の浦郷照明さん。この方、なにせ話が明るいです。そりゃ、名前が「照明」ですしね。

いや、まあ、個人向けのIRセミナーとして、ごちゃごちゃ細かい数字とかは出さずに、日本電産の歴史から現状、今後まで、一気に立て板に水的に話すというのは、なかなかの話術、話芸だといつも感心させられます。

いつも質問する株式分割問題

決算は減益ながら、ここからの成長の可能性等が評価されてか、市場全体の堅調さの反映か、日本電産の株価は堅調です。

が、株価は1.6万円を超えていて、単元株100株を買うのには160万以上の資金が必要です。とてもではないですが、これは個人投資家が買いやすい状況とは言えません。

IRセミナーでは数回続けて、このことを質問しています。浦郷さんも「あ、いつものですね」ということで、おぼえてくれています。まあ、回答に納得できずとも、偉い方と直接あれこれやりとりできる機会があるのはいいことではあります。

東証のスタンス

先日書いたものと重複しますが、東証にスタンスを再度示しておきます。

・東証では、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準を明示している。
また、上場内国株券の発行者に対して、望ましい投資単位の水準以上(50万円以上)で株式が売買されている場合には、事業年度経過後3か月以内に、5万円以上50万円未満の水準へ移行するための、当該発行者の投資単位の引下げに関する考え方及び方針等を開示するよう義務付けている。

日本電産のリリース

・義務付けられているため、日本電算が出しているリリースがこちら。

引用

「1.投資単位の引下げに関する考え方

当社は、株式の流動性向上と個人投資家の拡大が、株式市場の活性化と株式市場における適正な株価形成の観点から重要であると認識しており、投資単位の引下げはその有効な施策のひとつであると考えております。

2.投資単位の引下げに関する方針

上記の認識のもと、現在当社は1単元の株式数を100株としており、また再三に亘り株式分割を実施し投資単位の引下げに努めてまいりました。直近では、2014年4月1日付で1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。今後とも、当社株価の推移や個人株主の動向等を勘案しつつ適宜検討してまいります。」

というリリースですが、分割について、ここのところは動きなし。

結局、東証が明示している水準は実質無視

・2014年の分割でも、株価はもとが1万円以上だったため、分割後も5,000円以上で、東証の50万未満という水準以上。分割しても50万未満で買える状態にはまったくなっていなかったということです。

これまでの分割の経過はこちら。

つまり、ここのところ、実質的には、東証の明示している水準を無視しているというのが実情。無視してもいいと思っているから、無視しているんでしょう。

個人投資家軽視かといえば、IRセミナー等は熱心に実施

では、少額投資の個人投資家は最初から実質的には無視しているのかというと、そんなことはなくて、IRセミナーの取り組み等は非常に熱心に実施しています。

では、なぜ、東証の明示している水準の望ましい投資単位にしようとしないのかが不明なのです。納得しなくても、一定の説明があればいいのだが、それはない。引用したリリースでは説明になっていないと思います。

同様の意見、希望は株主総会等を含めて様々な場で多くの個人から出されていると思いますが、ずっとそれに応えることにはなっていません。

値がさ株状態にステータス性?

値がさ株の状態に、なにか意味があると考えているんでしょうか。

日本電産以外にも、投資単位の金額が大きい企業はあります。キーエンスなどが代表的です。ただ、キーエンスは先日に分割と増配の発表があり、株価は上昇しました(それでも、1:2の分割後でも株価は3万円台です)。ファーストリテイリングなども株価は高いままです。なにか、値がさ株の状態であることにステータス性でもあると考えているのかと思わされます。

あるいは永守会長は形式的であっても高い株価が好きなので、現状の形になっているのでしょうか?。→いくら法律等ではなく、罰則などもないとはいえ、好き嫌いで、東証が規則で明示している水準を無視していいというにはならないと思いますが。

少額投資はコスト高で利便性も低い

100株単位で金額が大きくなりすぎる場合は単元未満株とか累積投資とか少額で株式を買う方法もあるが、売買手数料等コストは割高で、指値もきかないなど、コスト、利便性とも不利な形の取り引きしかできません。

「検討している」とのコメントはあっても、少なくともここ5年、50万以下の最低投資額ということであればもっと長い期間、実際に分割は実施されず、100株保有には多くの金額、それも現状であれば50万すれすれとかいうことではなく、その3倍以上の資金が必要な状態が継続されています。日本電産として、これが「適正」な状態であると考えているのでしょうか。それはまずいでしょう。熱心なIRセミナー実施との整合性もとれていないと思います。

結論 1:5の分割が必要だし適当

この問題については、結論的には既に検討しているだけではだめな段階だと思います。1:3の分割とかでは50万以下になりません。東証の明示している水準に従えば1:5程度の分割が適当でしょう。

形式的に高い株価を保つことの意味は薄いと思います。というか、最低投資単位の引き下げの意味と比較すれば、個人投資家の立場から見れば明らかに最低投資単位引き下げの方が意味があります。

企業の価値は、形式的な株価の高さではなく、株式の時価評価の総額で見ればよいだけ。

引き続き、この問題については今後の動向を注目しておきます。状況が変わらなければ、また、来年の今頃に機会があれば聞いてみたいと思いますし、1:5の分割でもあれば大いに評価したいと思います。。

あ、こんなクリアファイルをいただきました。売れるかな?。

 

 

 

 

 

 

日本電産 例の株式分割問題 なんら納得せず、永守会長は高い株価が好き?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 高見正彦 より:

    超カリスマ経営者以後に創業家以外で経営を行って第2段階の成長を成し遂げた企業はありますか?

    1. 伏見の 光 より:

      >超カリスマ経営者
      国内であれば、本田宗一郎、松下幸之助、盛田昭夫、孫正義、柳井正、鈴木敏文といったところでしょうか。
      この中から最近の状況などから考えるなら、頑張っているのはソニーでしょうか。

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