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60
どら平太
C+
 市川昆監督、役所さん主演の時代劇、黒澤明らも関係した四騎の会(?)だったかの脚本を元にした作品らしいです。

 うーん、主役のキャラクターそのものは面白いところもあるのですが、なんか役所さんのキャラに合っていない感じがしました。殺陣のシーンとか悪くもないのですけど・・・・。なんていうんだろう、アクがなさすぎる感じ。この人、やはり現代劇の方が合います。「シャル・ウィ・ダンス」とか「うなぎ」とか。「金融腐食列島」もキャラには合っていた。

 これ、黒沢が撮って、三船が主演だったらどうだったかなぁとか考えてしまいます。ちょっと、この役(藩の町奉行)では三船は濃すぎるかな・・・・・・。
 どうも、ちょっと・・・・・、でした。

59
千と千尋の神隠し
 最新の宮崎アニメ、随分と人気のようですが、夏休みの子どもサービス(多分、あとポケモンも行かないと行けない・・)で見に行ってきました。近所のシネコンです。平日の朝一番でしたが、なかなか混んでいました。

 なんでこの作品がヒットしているかというと、それは前作が「となりの山田くん」だったからです(^_^;)。「となりの山田くん」はどう作っても、そりゃ「山田くん」でしかないわけで、お客さんは新作の宮崎アニメに飢えていたところにこの作品ですから。

 お話は、まあ、なんというんでしょうか、最初と最後は「不思議の国のアリス」みたいな感じですが、内容はいつもの宮崎作品です。引っ越しでやってきた町で、不思議な建物のトンネルをくぐるとそこは異世界。父さん、母さんは豚になってしまい、自分は八百万の神が湯治にやってくるでっかい温泉宿で働くことに。そこで出会う様々の人々、神々。なんだかんだあって、結局彼女は元の世界へ戻っていく。戻ってみれば、時間はあのトンネルをくぐった時の続き・・・、ってな具合ですね。

 まあ、アニメの絵はところどころ驚くほど綺麗で、これは世界で他にない感じ。アニメーションといえば、あとは海外ではディズニーぐらいでしょうけど、ディズニー作品は「やっつけ」系も多くて比較になりません。また、非常に多様なキャラクターが続々と登場します。それぞれに宮崎作品らしい性格づけがなされています。

 宮崎作品でどの作品でも共通して言えるのは、主人公の少女の「けなげさ」ですね。それはこの作品でも存分に発揮されています。まあ、よきにつけ悪きにつけ、世界水準のアニメであり、見ておいてよい作品だと思います。宮崎系の雰囲気が好きでない人にはすすめませんけど。でも、だいたい日本人は宮崎アニメ、好きだと思いますけどね。
01/08/08

58
ダンサー・イン・ザ・ダーク
B−

 見終わった後の感覚。どよーーーん。どよーーーーーーーーん。

 なんというかなぁ、全然スカッとする作品ではないですね。しかし、なんです、この主演のビョークさんですか、存在感ありますなぁ。私は本格的なミュージカルって嫌いなのです。映画の中の台詞でもあったけど、急に踊り出したり歌い出したりするのはおかしいぞー。舞台はまだいいけど、映画ではとりわけそう。ウエストサイドストーリーとかでも私は好きになれない。

 しかし、この作品は、なんというかなぁ、主人公の心の中の現実にはありえない夢の世界をダンスと歌という形で表現しているので、違和感がないのです。
 自分が目の病気、子どもも目の病気。子どもの手術のためにためたお金を隣人に奪われ、それを問いつめに行くと結果的に彼女はその隣人を銃で撃って殺してしまう。息子の手術の成功をとにかく祈りつつ・・・・・。

 って、もう、ラストシーンなぁ・・・・・。

 なんか不快感という意味で、ある種「グリーンマイル」と対照的ですな・・・・・。

 主人公に感情移入できる方にはすすめますが・・・・。


57
BROTHER
B−

 いつもの北野武監督作品といえば、それまで。うちの嫁さんなんかは暴力描写が嫌いで、北野監督のこの種の作品を認めようとしません。

 私はそういうことはなくて、例えばこの作品なんかだと、人と人の心のつながりとか絆っていうのはどうしてできるのかなぁ?っていうのを考えさせられます。広い意味での文化というか、それは歴史的背景だったり、地域性だったり、宗教だったり、社会的集団の共同体的あり方であったりとかいろんな側面での指摘ができるのだけれど、そこにある種の共感なり共鳴みたいなものがあって成立するように思います。

 例えばこの作品に出てくる世界もそうで、面前で批判されたらいきなり腹をきっちゃうとか、もうまったく無表情に銃を撃って人を殺すとかいきなり目をつくとか、兄貴分のために銃で自分の頭をぶち抜くとか、そういう世界なり価値観というのは、日常感覚からはわからんわね、これは。それは、イスラム教の信者の人が「コーランを破った奴は殺す」と真顔でいきりたっているのが私には感覚的にわからないのと似ています。

 こういうある種の「異文化」みたいなものを、北野流に切り取って見せてくれていると思うのですね。
 まあ、なかなかやってくれるわいなーというところです。他の人ではできないでしょう。

 ただ、個人としてどういうのが共感できて好きかというと、私は「菊次郎の夏」の終盤で、井出さんと義太夫とタケシと子どもらが、なんかアホやって遊んでいる、あのシーンがすごく好きなのだけれど・・・・。

56
ミッションインポッシブル2
C+

 一作目を見ていないのだけれど、これは「やっつけた」という印象でした。なんか、バッととにかく続編を作りましたっていう感じかな。お話が荒いというか雑というか。まあ、こういうものは話そのものはどうでもいいんですけどね。

 個々の場面の迫力はやはりアメリカ映画らしさはあり、邦画、例えば下に書いたホワイトアウトなんかよりもずっといいです。例えばバイクの場面とスノーモービルの場面(前者がMI2)を比較すればその差は歴然。

 しかし、MI2のハイテクもなんか当たり前という感じで驚きがなくなってしまった。

 全体としてはマトリックスの方がずっと丁寧で面白かったです。ま、お暇ならどうぞの娯楽作品というところかな。
01/06/10

55
ホワイトアウト
 和風ダイハードならぬ小ハード。寒い中、主演の織田さんご苦労ですけれど、やっぱりハリウッドのものを見ているとどうしても日本のこういうのはスケールの小ささを感じてしまいます。迫力不足。緊迫感、緊張感もない。ドキドキしないよー。

 悪の親分の佐藤浩一もなんか存在感というか迫力ないしなぁ・・・。松島菜々子なんかなんにもしていないというか、ただ立っているだけの印象。どうして日本でこういうものが当たるか不思議。アクション系の邦画はこの程度が限界とは思いたくないですが・・・・。脚本もなんかつまらんのよねぇ・・・・。うーん・・・・・。頑張ってもらいたいものです。
 黒四ダムは昔行ったことがあるので、ちょっと懐かしかったです。それだけ・・・・。
01/06/10

54
ダイナソー
C+
 冬休みの家族サービス。ディズニーの恐竜映画。京都府久御山町のイオンシネマは、いわゆるシネコンというやつで、いろんな映画を同時上映しているので便利。サイトで割引券を印刷すると200円オフになるのもちょっと嬉しかったりします。

 ストーリーはいつものディズニー作品のそれだが、CGを利用したグラフィックはなかなか秀逸で今日の技術的水準を反映しており、迫力がある。しかし、それだけといえばそれだけ。

 猿の家族に育てられた主人公の恐竜さん、隕石の落下で住んでいた島を脱出。猿の家族と一緒に旅に出ます。途中で「緑の大地」をめざして旅をする恐竜たちに出会います。砂漠横断などつらい旅を続け、強引な群れのリーダーに反発したりしつつ、肉食恐竜の襲来には力を合わせて撃退し、緑の大地にたどり着きます。てな、お話です。

 面白いと思ったのが群れのリーダーと主人公のキャラ設定。

 恐竜の群れのリーダー(この妹と主人公は結婚する)は、「弱い者にはかまっていられない」型の「強い」リーダーとして描かれ、主人公の恐竜は、老いた恐竜や歩くのが遅い恐竜を気遣う「優しい」恐竜として描かれています。恐竜社会(?)を考えれば、前者のあり方が「正しい」のでしょうが、彼は自分の考えに固執する結果、肉食恐竜にやられて死んでしまいます。この肉食恐竜を他の恐竜と一緒に力を合わせて倒した主人公が生き残り、緑の大地で新しい生活をはじめるわけです。

 前者のあり方は、いわば弱肉強食の市場原理、後者のあり方は社会民主主義的な社会保障のあり方とつながるものがあるでしょう。日本では後者のあり方が好まれるのはよくわかりますが、アメリカ合衆国にあっても、実際の社会は前者の側面が強いだけに、逆に「お話」としては後者の主人公のあり方が受け入れられやすいのかもしれません。

 なお、主人公、小柄な道化役、主人公の相手役、悪役などのキャラクターが登場し、最後はわりとハッピーエンドで終わるあたりは、典型的なディズニーのパターンであり、それはこの作品も同様です。
01/01/09

53
グリーン・マイル

B+
 スティーヴン・キング原作・フランク・ダラボン監督の「牢獄」ものといえば快作「ショーシャンクの空に」があるが、同じコンビの作品が「グリーン・マイル」。

 最近、レンタルのビデオが出たので早速借りました。3時間を超える作品ですが、一気に見てしまいました(2本組)。前作がよかっただけに、いやがうえにも期待感は高まるわけですが、印象は「ショーシャンク」+「カッコーの巣」を2で割って10点減点したような感じ。

 爽快感というよりは、なにかしら深い感情をかきたてられるような感じの作品です。そういう意味では「カッコーの巣の上で」と共通性があります(私には)。

 物語は老人になったかつて死刑囚が入る房で働いていた看守の昔語りから始まります。これはちょっと「ショーシャンク」と似ている。まあ、よくある形です。「グリーン・マイル」っていうのは「緑の廊下」という意味で、死刑囚が処刑に向かう時に通る廊下の名前。ここに黒人の体の大きな死刑囚が入ってくる。彼の起こす奇跡とは?癒しとは・・。そして彼の命は・・・。っていうお話(全然わからんですな・・)。ネタバラはあまりよくないので書かないですけど。
「学校4」よりもおすすめ。

関連サイト(インフォシークで検索しました)
http://www.greenmile.net/dvd/index.html
http://www.sankei.co.jp/mov/review/2000/green_mile/index.html

52
15才 学校W
B−
 山田洋次の学校シリーズの4作目。公開前に16ミリで見る機会がありました。

 これは「15才の気のいい少年の青春ロードムービー」です。

 これまでの3作は(高等養護学校編はいろいろと疑問もあったが・・)それなりのリアリティが感じられ社会の現実の反映としての側面を強く感じたのに対して、今回は、実際の学校そのものが舞台になっていないこともあるのだけれど、ある種、話の内容を単純化、また個人化した形で、いわば定式化された概念として青年期前期の子ども達の課題を示したという印象がありました。

 不登校傾向の15才(中3)の兄ちゃんが家出してヒッチハイクやらなんやらで、いろんな人と出会いながら、屋久島の縄文杉を見に行くという話なのですが、トラックの運ちゃんとか屋久島で出会った姉ちゃんとか、出会う人がみんな「いい人」だもんなぁ・・・。ほんで、この不登校傾向の兄ちゃんも、まあ、礼儀正しいし受け答えもちゃんとできると、実に「いい子」です。ほんで、色々真面目に考えてるし。

 「んな、いい人ばかっりと出会うか〜い!」っていう感じがしますが、それは作品そのものが最初に書いた視点でつくられているからでしょう。
 役者さんで一番存在感があるのは丹波哲郎さん。息子役の前田吟のおじさんが少年の言葉でえらくショックを受けているところもよいです。
 主役の少年、どうも吉岡秀隆とイメージが重なってしまうのはしょうがないところかな・・。

 商業ペースにのっている作品でこういう映画っていうのはないですから、続けてほしいですね。ちなみにこの作品は大船撮影所の最後の作品だそうです。
00/10/29

51
ポケモン結晶塔の帝王+ピチュウとピカチュウ
 少女の観念が「幻のポケモン アンノーン」によって実体化されるというところはちょっと面白くもありますが、まあ、いつものポケモン・・・・・。エンティという新しいポケモン、あまり魅力的でない。ミュー2の方がよかった。
 夏の家族サービス終了(^_^;)。
00/08/16

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