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70
ハンニバル
C+
 
 サイコスリラーの快作「羊たちの沈黙」の続編。「羊たちの沈黙」はその後の様々な作品にも大きな影響を与えた、独特の緊張感のある作品でしたが、2作目は1作目を超えられないというのが基本。

 しかしながら、独特の緊張感のある雰囲気はなかなかよいです。人肉食のことが強調されがちですが、基本的には怪奇趣味、オカルトのお話ではありません。
 アンソニー・ホプキンスのレクター博士はさすがに独特の雰囲気を醸し出していて面白いのですが、全体としてのストーリーに深みがなく、気分の悪くなるような場面が時々あって、逆にそれがストーリーそのものの貧弱さを強めてしまっているような印象がありました。

 また次に続くような終わり方ですが、もういいのではないかなぁ・・・・。なお、前作でジョディ・フォスターが演じていたクラリス役はジュリアン・ムーアに交代。悪くはなかったですが、やはり最初の作品は超えられていないという感じ。

 最初がよすぎると、あとはしんどいですな。

69
ウォーターボーイズ
 痛快、男子高校生シンクロムービー。そんだけのこと。ですが、そんだけで充分といえば充分。軽快に単純にテンポよく、なーんかしらんけど、男子水泳部の皆さんがシンクロナイズドスイミングをする羽目になり、それを学校祭で発表するまでを描いた作品。妻木?君の実質デビュー作という感じなのかな。

 まあ、実に単純で、ある種アホくさいのですが、変に説教くさくもないし、センチメンタル恋愛路線に走っているわれでもなし、気持ちがよいですなぁ、これは。
 竹中直人が「笑わせ」系キャラで登場するのも安心感があったりします。なかなかよいんじゃないですか。夏向きね。
2002/07/27

68
赤い橋の下のぬるい水
B-

今村昌平監督。役所広司と清水美砂主演の「大人の寓話」的なお話。北村和夫さんなんかがなかなかいい味を出しています。今村監督はよく命とか女性とか子宮とか、なんかそういう独特の雰囲気、世界観のある映画を作りますね。これも雰囲気はなかなかいいです。

 役所さんもよく合っている。「うなぎ」と同じコンビですね。富山の氷見に行くことになったリストラにあったサラリーマン。そこで出会った、体の中にやたらと「水」がたまり、SEXするとそれがいっぱい出てくるという女。その量が半端じゃなくて、またその水に魚や鳥たちがよってくるというところで、命につながる水みたいなところを強調して描いています。

 なーんか笑ってしまうというか、軽いのりの中にいつもの今村風が出ています。「小品」っていうんでしょぅか。お話そのものはなんということもないのですが、ちょっといいですな、これは。
2002/07/07

67
GO
B+
 窪塚洋介主演で、在日韓国人の高校生の「青春ドラマ」。って書くと、非常に陳腐な感じがしてしまいますが、理屈っぽくなりすぎず、また、青春ドラマ路線に走りすぎず、このバランス感覚とスピード感に伏見の光は共感しました。窪塚の魅力もよく出ています。一見、ハチャメチャで暴力的な高校生。でありながら在日としての苦しみみたいなのも素直に表現されている。これはなかなかいいですなぁ。

 「月はどっちに出ている」も、独特の雰囲気でかなりよかったですが、在日韓国・朝鮮人を描いたドラマとしては、かなり出色だと思います。ワールドカップ共催で、なにか感覚的には日韓の距離感は縮まったように感じるところもありますが、まだまだ、現実にはいろいろ難しい事も沢山ありますよね、きっと。
 おすすめ!。

66
陰陽師
 ビデオで見ました。これは実在の人なのかなぁ?。よくわからん・・・・・。

 主演の野村萬才は能楽の人ですか?。風貌も含めてなかなか独特の雰囲気があっていいですね。ただ、映画の中のキャラクターとしては、よくわからんなぁ、どういう奴なのか?。なんか心の動きの描写みたいなのがきちんとされていないですから。あと、SFXですが、うーん、金がないのか、なんかウルトラQがちょっと発展したという程度で(雲の雰囲気とか)、あんまり新鮮さはないです。

 まあ、全編を通して、それぞれの登場人物の心の描写がうわべをなぞっただけのうすっぺらなもので、心に響くものが全然ないのねぇ・・・。そういう映画でないといえばそうなのかもしれんけど。

 そして、最も「ぶちこわし」的存在が伊藤英明君、君だ。あんた、なに?。どういう奴なの?。優しい殿上人さん。それだけやんか・・・・。元SPEEDの今井?ちゃん、君の芝居はなんなのかなぁ?。まったくわからんです。
 それと比較して、まあステレオタイプ的ではあるものの真田君や帝役の岸部一徳君、君らが出ていると安心しますわ。

 まあ、暇で野村の独特の雰囲気を感じたければどうぞ。但し、あまり期待しないようにね。
2002/06/25

65
金融腐食列島 再生
C+
 前作「呪縛」に続く、銀行を舞台にした経済・金融ドラマ。前作で役所さんが演じていた「ミドル」の主役は村上弘明。全体として軽快に見せてくれるが、これは「丁寧に作った土曜ワイド劇場」以上のものではなく、骨太さが感じられない。

 物語の中心が結局のところ、銀行内部の権力争い的なものになってしまっていて、「ええもん」VS「わるもん」の図式化も、多少の工夫はあるものの、単純すぎる。経済ドラマで、あまり理屈っぽくなりすぎるのも見ていてしんどいだろうが、もう少し「本質」に迫る主張のある内容のしっかりとしたドラマに仕立ててほしいもの。
2002/05/03

64
 遠雷
B+
 根岸吉太郎監督の1981年の作品。最近、スカパーの日本映画専門チャンネルでやっていたので、久しぶりに見ましたが、やはりなかなかよかったです。

 話はビニールハウスでトマト栽培をしいる兄ちゃんのこと(これが永島敏之)で、相手役が石田えり。石田えりのヌードシーンもちょっと嬉しかったりしますが(^_^;)、圧巻なのはラストに至るところ。自分の結婚式の夜、駆け落ちした友だちがその相手を殺してしまったと友人(ジョニー大倉)が告白します。それを聞いて警察につきそい、そして自分の結婚式の二次会に戻って、明け方に新婦と一緒に「幸せの青い鳥」を歌うところ。これは、なんというかしみますなぁ・・・・。

 よく、「青春映画の名作」として語られる作品ですが、それだけの値打ちというか、映画としての力はある作品だと思います。いわゆるATG作品の代表作ですね。永島敏之、はまりすぎです。

63 ドラエモン のび太とロボット王国
 映画館の券が当たったので下の子と行って来ました。

 別にどうこうコメントすることもない、東宝の定番商品ですが、いくつか感じたことがありました。それは、こうした「定番お気軽」映画であっても他の作品の影響を受けているのではないかということ。このアニメ、「ロボットの心」というのが一つのテーマになっているのですが、これは「A・I」を連想させるものがちょっとあります。また、砂漠の中を苦難の旅を続け、虹の谷に行き着くところは「ダイナソー」みたい。のび太が操作するロボットは「ナウシカ」の巨神兵?(だったかな)みたいな感じがちょっとあったり、虹の谷の情景は、全体の作画が単純なのに対してなんとなく宮崎作品風のおだやかさ、丁寧さがあるといった具合。

 まあ、「お手軽」作品だからこそ、そうなのかもしれません・・・・・。

 半分寝ていましたわ(^_^;)。子どもは喜んでいたので、ま、これはこれでよし。
2002/03/31

62
ジュラシックパークV
 DVDを借りて見ました。レンタルビデオは久しぶりです。「猿の惑星」とどっちにしようかなと考えたのですが、失敗だったか・・・・。

 3ともなると、話の導入部とかは全部とばして、速攻で「恐竜対決」場面に。恐竜が登場する場面は非常に多く、CGなどを駆使した画像そのものはやはりすごいです。しかし、それだけ。既に慣れてしまった感があり、怖くもないし、「はいはい、もうわかりましたよ」という印象は否めないですね。3ともなると、何か新しいキャラクターでも出してこないともたないという感じで、今回はそれが飛行する恐竜。プテラノドンかな?。名前がよくわかりませんが。多少の目新しさはあるのですが、ま、それだけのこと。

 ちょっと、もういいかなぁ・・・・。よほど新しい視点とか切り口でも示さないと、食傷ぎみ。

2002/03/10

61
ハリーポッターと賢者の石
C+
 
 ベストセラーの映画化。子どもと一緒に日本語版を見ました。

 子どもが見る映画としては2時間半と長いです。これ、原作を読んでいないと、話の意味がきちんとつかめません。主演の男の子はなかなか魅力的ではあり、SFXを駆使した画像もなかなかです。ところが、その「賢者の石」っていうのはいったい何で、それがどうしたのか、誰と戦っているのかなど、物語の主要な組み立ての部分が映画を見ているだけではよく伝わってきません。

 まあ、イギリス風の雰囲気はそれなりに楽しめるものではあるのですが、色々なエピソードの積み重ねという感じで、全体として、この映画単独できちんとした整合性のある内容として完結できていないという印象です。
 今一歩です・・・・。
2002/02/21

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