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80
「戦場のピアニスト」

 うーん、これはしぶかったですね。

 ワルシャワて゜のユダヤ人迫害を描いている映画ですが、意図的にドラマチックな場面とか過剰の演出を排除している感じで、ただただ淡々と迫害に翻弄されるピアニストの姿を追いかけていきます。

 人間が死ぬ場面なんかも実にある種あっけなく描かれています。それゆえ、逆にその非人間性というかどれだけ一人一人の尊厳みたいなのが傷つけられていくのかというのが、なんか浸みるように心に入ってくる感じがあります。
 うーん・・・・・。
2003/03/01

79
コンセント
B−

 精神分析だのシャーマニズムだのの話がでてきて、少々理屈っぽいです。しかし、そういう話は私は嫌いではないので、B−。

 お話なんかはここを参照してください。

 主演が市川実和子っていう女優さんなんですが、これがなんか独特の雰囲気があってよいです。人間の心の中味っていうのはどうなっているんでしょうなぁ・・・。そんなことは自分でもわかりませんけど・・・・。

 大学教授が妙なキャラでちょっとおかしいです。心理学好き、理屈好きな人はどうぞ。セクシーシーンも多数(^_^;)。
2003/02/09

78
スパイダーマン

C+
 単純明快、すっきりさわやか。 ヒーローはつらいっすねぇ・・・・。ただそれだけですが、最初からただそれだけの映画ですから、別にこれはこれでいいでしょう。

 アクションシーンとかもまあ予想を上回るほどではないです。SONYの利益には貢献したそうですが、ま、こういう映画がよく観られるというのは「いいこと」ではあるのかなぁ・・・。
2003/02/08

77
PAIN

C+
 2001年監督・脚本:石岡正人。

 田舎から渋谷?に家出してきた少年少女。金はないし、仕事は見つからないしどうしようかなぁ・・・・。少年はアダルトビデオのスカウトに、少女はパーティー券売りから援助交際・・・、っていうだけのお話なんですが・・・。

 これねぇ、妙に描写がリアルっぽいというか、なーんか「自然」に少年少女はこういう世界にはまりこんでしまうんだなぁ・・・・。まあ、そういう現実もあるのか・・・。
 この子らの、なんというかな・・・、だんだんこういう世界にはまっていく中での変化というか心の動きみたいなのが、なんとなくリアル感のある描写の中で直接的にというよりも、その行動や態度で描かれていきます。なかなか才能ある監督さんだなぁという印象は受けました。

 しかし、「だからどうした」と言われると、答えはないのね。普通の起承転結のある「お話」が好きな人は、なにこれ?っていう印象かもしれません。
 ま、なんとなく独自性は感じました。
2003/02/08

76
猫の恩返し
C+
 ジブリの最新作。
 しかし、これ。「猫の恩返し」とちゃうやんかー、話が。「ありがた迷惑な猫の恩返しから逃げ出す」っていうお話ですがな。

 併映の、ジブリの小咄集みたいな「ギブリーズ エピソード2」っていうのもわけわからんわぁ・・・。なんなのでしょうか。
 全体としては、ジブリの大作の間での幕間つなぎ的作品という印象。キャラクターを使い回ししている点(バロン男爵)もだし、作画的にも異常なほどの細かさを追求した前作と比較すれば単純ですっきり、ストーリー展開そのものも単純と、気合いのはいりかたが弱い印象は否めません。

 ジブリ作品の基本的特徴の「主人公の少女のけなげさ」は受け継がれています。
 別に不快感がある(「おもひでぽろぽ」)というようなことはないのですが、これで映画館で1800円(実際はクレジットカードを見せたら200円割引になった)というと、「うーん、ちょっとなぁ・・」という感じ。別に大画面で見る必然性もさしてなく、「丁寧なテレビアニメ」感覚で、ジブリのファンであればレンタルビデオになってから見れば、それでいいんではないかなぁ・・・。

 ま、夏の定番家族サービス、その3ということで。
2002/08/18

75
アメリ

 なんというか軽妙っていうか、おしゃれというか・・・。アメリちゃん、「ちょっとHなオード・ヘップバーン」という感じかな。ちっょと広角ぎみで撮ったアップが多いです。

 いたずらずきで、かわいくて、だけど自分のこととなると臆病で・・・、みたいなアメリちゃんのじれったい恋いの行方はどうなるのかなぁ・・・・。

 赤っぽさが強い映像が印象的。気持ちのいい小品という感じです。感動もなんにもないけど、ちょっとええんとちゃうかなー、という感じね。結構おすすめ。

74
スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃
C+

 上の娘と一緒に見に行きました。まあ、お馴染みのキャラクターが暴れ回ってくれますし、映像はすごいです。こういうSFXを見せられると、いかに日本の映画がせこいかと感じてしまいます。

 それはまあいいんですが、お話そのものは率直に言ってだらけてきている感じがします。ネタ的に厳しい。ジュラシックパークとまでは言いませんけれど、迫力あるシーンでもっているという感じです。そろそろ潮時かという感じもしながら、続編が出ると少なくともビデオではまた見てしまいそうというところ。

 あと、日本語版を見たのですが、最初の「STAR WARS」というロゴがザーッと動いていくオープニングね。あそこから、これがカタカナになっており、また、説明の文章まで日本語化されている。丁寧ではあり、子どもにはいいのでしょうが、なーんか違和感がありました。
2002/08/10

73

C+
 藤山直美さんが、妹を殺してしまい全国を逃げて歩く殺人犯を演じるお話。二歩ぐらい間違えば安っぽい土曜ワイド劇場になってしまうところを、藤山の独特のキャラクターで、独特の雰囲気のある作品にはなっています。
 ただ、これ、惜しいなぁという感じが強いです。主役のキャラクターとか殺人の必然性とか、旅の中でいろいろな人たちと出会う中での心の変化や揺れ動きなど、それらを直接語らせるのではなく、映像の形でより深く語りかけてほしかったなぁという感じがします。いろいろとエピソードを盛り込みすぎて、ややそれに追われるような形になっていたのではないかな。B−でもいいんですが、ちょっと直前に見たのが強烈な「リリイ・シュシュ」だっただけに印象が弱まってしまたというところもあります。藤山さん、次回に期待します。しかし、このキャラをうまく生かせる作品となるとなかなか難しいかもしれませんけど。
2002/08/03

72
リリイ・シュシュのすべて
A−
 岩井監督の最新作がビデオで出ていました。ファンとしては見るしかありません。しかし、ファンというところを割り引いてみても、この作品はなんでしょうか・・・。

 見終わったあとの、真綿で首をしめられるような(?)不快感。そして、透明感とやるせなさ。印象に残る象徴的な映像と音楽。

 これは中学生の年代の少年、少女の物語なのだろうけれど、うーん、なんとも言えない見終わったあとの感覚です。決して気持ちはよくはない、しかし、今の現実の一側面を強調しデフォルメしつつ純化している、そんな作品です。

 全然話がわかんないですね(^_^;)。うまく説明できませんが。同じ時期の少年を描いた作品に「学校W」がありますが、なんという違いでしょうか。「学校W」が、いわば純朴で率直で気持ちがいいのに対して、リリイはイメージ化され、ひねくれ、わかりにくく、内省的。

 ネットの掲示板に「カチカチ」とキーボードの音をたてながら入力されていく文字の様子は、以前のパソ通恋愛映画「ハ・ル」をちょっと想起させるところがありました。 しかし、この岩井の感覚っていうのはなんなんでしょうね。すごい才能。そして独自性。私は評価しますよ。

 「四月物語」や「打ち上げ花火・・」などのような軽いものもよいですが、やはの「スワローティル」とかこれなんかが岩井の本領が発揮されている作品だと思います。 映画を見たあとのこういう感覚というのは「ゆきゆきて神軍」を見て以来のものです。久しぶりのAです。
2002/08/02

71
みんなの家
C+
 三谷氏のお家づくりの映画。伏見の光的には今、旬の内容。

 これは、伊丹監督の出世作「お葬式」と同様に、自分の体験からスタートしたという作品らしいです。しかしながら、これは相当にデフォメルというか極端に描きすぎ。家を建てようというわりには、あまりに当人たちに最初の基本コンセプトがない。また、いくら建築は素人とはいえ、いきなり建坪率も容積率も無視したような図面を書いてくるあたりも現実離れ。

 ココリコの田中君も唐沢氏も、田中邦衛氏、まさに予想されていたような予定調和的役どころで新鮮さはなく、もうひとつ楽しめません。

 一見、対立しているように見える設計者と大工が実は似ていて、それに施主が嫉妬的感情を持つというあたりが話の中心なのだけれど、もうひとつ感情移入していけませんな・・・・。元アナの八木さん、存在感なし・・・・。
2002/07/27

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