シネマクラブ へ
トップページへ


90
ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ

 夏のお約束。中学の娘は行きたがらなくなりました。まあ、さもありなん。

 今回、面白かったのは任天堂のゲームソフトと連携したプロモーション。前売り券を玩具店などに持っていって、対応したゲームソフト、ハードを持参すると、今回の新ポケモンンをゲームに追加してくれます。ケーブルでつないでデータを転送してくれるというもの。「踊る・・」もプロモーションの総合的な取り組みは面白いと思いましたが、これも、あまり例がないものだと思います。実際に店頭で対応できる体制を整えないといけないので、ちょっと大変かと思いますが、この方式は続くかもしれません。

 さて、本編の方ですが、このジラーチという新ポケモン、全然かわいくない・・・。泣いているみたいな、目の下のくまみたいな表情・・・。「確信犯」的にやっているのでしょうが、あまりに単純化されたサンリオのキャラクター以下のデザイン。
 で、このキャラに頼っただけで話がすすめば、これはDクラスと思っていましたが、後半にやや話そのものは持ち直し。
 これが、自然のエネルギーを吸い尽くすポケモン(ポケモンっていうのはなんなのだぁ?。自然界にいる普通の生き物と同じなのか違うのか設定がわからん。そういえばポケモンには普通の動物はでてこないですな。)が復活してしまうというものなんですが、この設定も絵そのものも宮崎作品の影響が感じられます。
 古代?ポケモン復活は「ナウシカ」の巨神平日連想させるところがありますし、妙な触手みたいなものを伸ばすところや、森の描写などは「もののけ姫」。まあ、この後半の展開があったので、とりあえずC。

 東宝の収益に貢献してくれればそれでよしと(^_^;)。
2003/08/17

89
「オールドルーキー」
C+
 若い時にははたせなかったメジャーリーグの夢を中年になったおっさんがかなえるというお話。それだけ。ベタ・・・・・。

 ベタはいいんですけどね、別に。しかし、あまりに予定調和で意外感もなにもない。指導している地域のチームが連勝して優勝してしまう、妻や子ども、父親との間の葛藤と和解、チームメイトとの友情など、もう、こうなるだろうというとおりにしか話は展開しません。それはそれで、演出的に優れたものがあればいいのですけど、それも感じられない。
 それでも、マイナーからメジャーにあがる時のマイナーの監督との会話の場面なんかはちょっとよかったですけど。

 でも、まあ、それだけのことで、「感動」も中途半端。実話をもとにしているということや、いわゆる「アメリカンドリーム」話ということで、米国ではうけやすいのでしょう。

 同じ野球ものならば「フィールド・オブ・ドリームス」の方がずっと上質で気が利いています。
2003/08/06

88
「踊る大捜査線 ザムービー2 レインボーブリッジを封鎖せよ」
C+
 えー、結果的に家族全員で見ることになってしまいましたが・・・・。
 フジテレビのドラマが映画化された二作目ですね。織田君はじめ、キャストは前作どおり。

 一言で言うならば「予定調和」。それぞれのキャラクターが期待されている役割を期待されているように演じる。それだけです。
 話の本筋の犯罪そのものの展開にはほとんど深みがありません。ミステリー的な作品への興味というのはもとから期待されていません。で、そのキャラが、なんというかステレオタイプ的であり、これまた深みがないときたもんだ・・・・。わざとそうしてるんですね。確信犯です。だから、単作の一本の作品として見た場合、実に「つまらん、おまえの話はつまらん」状態。

 しかし、これでいいといえばこれでいいわけです。株主としては、東宝の業績への貢献を期待します(^_^;)。

 前回は「天国と地獄」、今回は「砂の器」。これはちょっと楽しめました。しかし、「砂の器」は原作も映画も名作なのよねぇ・・・・。こういう作品にひっぱってきてほしくなかったなぁという気もします。
2003/07/21

87
蝶の舌
C+
 「子役はずるい。」

 どうもかわいい男の子とかがでてくると、こういう印象になります(^_^;)。えー、なんだっけ、「ニュー・シネマ・パラダイス」もそうでした。

 1930年代半ばのスペイン・ガリシア地方っていうのが舞台で、体の弱い喘息のある少年と初老の先生の交流を描いた作品です。少年に本を貸すシーンで、ラストは予想できますね。ちょっと悲しいお話。この少年の心にこの出来事はどう刻まれ、彼の人生にどう影響するのでしょうか・・・・。
 まー、なんというか、暖かくて悲しい作品。絵はキレイ。
2003/07/21

86
Dolls
C+
 伏見の光にしては北野作品について低評価です。

 理由は物語に深みというか共感できる部分が少ないという感じがするためです。ちょっと、どれも薄いというか、感情移入しにくいのです。

 これはVHSのレンタルビデオで見ましたが、何か多用されている「赤」系統がにじんだような印象になってしまってよくありませんでした。できればDVDの方で見ましょう。

 日本の四季をきれいに撮っているというのは、それはそうなのですが、ハッとするような驚きはありません。むしろ、色の強さが前面に出て、全体としての美しさとか画面にすばらしさみたいなところが弱い感じもします。

 ヒョコヒョコと歩く管野はなかなかいいです。しかし、まあ、極言すればそれだけといえばそれだけ・・・・・。

2003/06/10

85
初恋の来た道

C+
 チャン・ツィイーっていう女優さんがかわいい。風景描写が、逆光を多用した絵作りできれい。でも、それだけといえばそれだけ・・・・・。でも、それだけでいいといえばそれだけでいい。という映画ですなぁ。

 田舎の村に若い先生がやってきて、村の娘はその先生への「純愛」をつらぬくっていう、まあ、お話の筋としてはそれだけ。最初から2人の子どもが語る形でお話は始まったりするものだから、「2人はどうなるのかなぁ・・・」っていうような期待感みたいなものもなし。で、どういうように、お互いの気持ちが高まっていくかみたいな心理描写も薄い・・・・。

 ただ、この村の四季の風景描写は「北の国から」が意図的に富良野の風景描写みたいなカットを使っていたのと同じように印象的です。また、女優さんのアップも多いですが、可憐な感じで、魅力的ではありますね。
 見終わって気分は悪くはないです。ただ、ちょっと単純すぎませんかね?。
2003/06/08

84
名探偵コナン 迷宮の十字路
 お子さまサービスで見に行った劇場版のコナン。
 京都が舞台になっており、なじみのある場所が次々と出てくるのでわかりやすい。ちょうど少し前に行ったところの鞍馬寺なども主要な部隊になっていました。
 子ども向けの作品とはいえ、場合によっては大人が見ても面白いと思えるものもあります。最初から大人を意識してつくられた「クレヨンしんちゃん大人帝国の逆襲」など、脚本がなかなか工夫されているなぁと感心したものですが、この作品はいけません。ミステリーとしての質というか、いろんなナゾにしろトリックトリック的なことにしろ、ちゃんと話が展開していない。工夫もない。だから、丁寧なテレビアニメ以上の印象がありませんな。
 唯一、バイクのおいかけっこの場面は低いアングルからのスピード感のある、いわばテレビゲームをしているような絵で、ちょっと面白かったです。でも、それだけのこと。「やっつけ」で作品としての質が低いと思わざるを得ないですな・・・。と、まあ、そんなにムキになることもないんですけど・・・・。コメントするとこうなってしまいます。
2003/05/26

83
たそがれ清兵衛

B−
 「幸せの黄色いハンカチ」から「学校」シリーズへと流れる、あるいは「寅さん」シリーズとも共通する山田的「誠実」ワールドの一作。嫌いではないけれど、かといって絶賛はしません。

 主演の真田は実に安定感、安心感があって充実。「陰陽師」もこの人が出ていたので、とりあえず安心していられました。今村作品の役所さんなんかとそういう意味では共通性があるかな・・・・。
 舞台は幕末の頃の東北の藩なんですけど、「そういう会話はないぞー」というようなのが多くて、これは「時代劇」というよりも、一応、そういう設定をした中でのなんというか山田ワールドの表現ですね。
 この作品で宮沢りえは女優賞を沢山とったということです。確かに微妙な感情表現が必要な難しい役ではありましょうが、かといって、そんなにすごく「うまい!」とは思えませんでしたなぁ・・・・。そりゃ「愛を乞う人」の原田美枝子さんの方がすごかったです。
 まー、全体として感じは悪くないです。
2003/05/19

82
マジェスティック
B+
 フランク・ダラボン監督の『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』に続く3作目。

 うーん、「半泣き」状態。

これなぁ、ある意味、直前に見た「戦場のピアニスト」と非常に対照的なのですね。どういうことかというと、実に作ったお話として映画らしい映画になっているということです。「ショーシャンクの空に」がまさにそういう映画でしたけど。

 記憶喪失でたどりついた町で死んだはずの若者に間違われて・・・。、やがて、記憶は戻り、そして自分はハリウッドの「赤狩り」の対象となり委員会で証言するはめに・・・。っていうお話ですけど。

 まあ、実に予定調和的に上手にもっていってくれるなぁ・・・という感じがします。ただ、くさい演出に嫌みというか、不快なわざとらしさがないんですな。このあたりが上手なんだと思いますが・・・。

 この作品から連想されるのは、1つは映画に対する愛情みたいな点で(行き着いた町で映画館の復興をするわけです。その映画館の名前がマジェスティク)、「ニュー・シネマ・パラダイス」とかウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」。そして、いわゆる愛国主義という点では、アメリカ映画によくある「お気楽愛国主義」の「インデペンスディ」とか「エアー・フォース・ワン」とかでした。

 前者の視点は作品の主題とはちょっとそれる感じがします。後者の方は、まあ、危ないところで「お気楽愛国主義」に陥らずにすんでいると思いました。

 ラストのシーンは「ショーシャンクの空で」でモーガン・フリーマンが石の下の缶を探しに行くシーンを想起させるところがあります。まあ、実に予定調和的ですが、気持ちとしてはやはりもっていかれてしまうところがあります。

 素直に楽しめ、かつ、ちょっと立ち止まると色々考えるところもある作品。「映画らしい映画」という点で、この監督は好きです。
2003/03/09

81
「13階段」
C+
 反町と山崎努の、なんていうのでしょうか、サスペンス?。もの。率直に言って「よくできた土曜ワイド劇場」状態。登場人物が自分で履歴とか理由なんかを語ってしまう点がどうもねぇ・・・。全体としてのお話の構成はなかなか重層的で面白く、これは原作の小説はかなり面白い作品だったのだろうなという感じがします。

 主役の反町は陰影のある主役を頑張って演じてはいるのですが、どうも安定感に欠ける印象。それに対して、これは「陰陽師」の時の真田さんでも同じように思ったのだけれど、山崎努はやはり重厚な安定感があります。

 ちょっと、鶴瓶とか大杉蓮さんとか、脇に存在感のある役者さんがバラバラと出てきて、全体の印象をかえって弱めてしまっていると思いましたね。

 惜しい感じのする一作。
2003/03/01

シネマクラブ へ
トップページへ