IRセミナー4391ロジザード 株価は年初来安値 なのに危機感が感じられず・・・

IRセミナー4391ロジザード 株価は年初来安値 なのに危機感が感じられず・・・

昨日のIRセミナーは日立物流とここ。内外トランスラインは聞きませんでした。

物流関係の管理システムのソフトをクラウドで提供しています。
比較的規模の小さい業者が主な顧客となっているようです。

株価はこちら。

ここは3804システムディなどとちょっと似ているところもあり、いわゆるストックビジネスです。

一度、ここのソフトが導入されれば、顧客の事業が順調に推移すれば特に不都合などかなければ継続してソフトが使われることになり、課金がずっとはいってきます。この頃はよく「サブスクリプション」と言われますが、別に目新しいことではなくて、これは堅いビジネスの形としては以前からあるものですけどね。

一般にクラウドのソフトの運用コストは、当然開発は継続して、必要な機能の追加、改善などは必要ですが、そんなに高くならず、利益率の高いビジネスにつながる可能性があります。実際、システムディなどはそのようなところが見てとれるのです。

が、ここは2019.6→2020.6にかけては、営業利益が減益となり、売上の伸びも低くなっています。

高効率で高い成長性が期待されていたとすれば、目先のこの動きは期待に反するものとなっているということで、それが株価にも反映し、平均株価はそこそこ堅調に推移しているのに、こはIRセミナーの実施日に年初来安値をつけています。

ここらをプレゼン後に聞いてみましたが、そもそもこの日に年初来安値をつけているということ自体を認識してないかったようで、危機感があまり感じられませんでした。まあ、業績はいきなり赤字転落するわけでもありませんし、年初来安値でも予想PERは40倍程度で、ひどい低評価ということでもないという理解もできます。

ただ、株価はマーケットの売買で決まるとしても、市場の見方はどうなっていて、なぜこうした株価になっているか、その認識は上場企業の経営者としては必須のことでしょう。それを受けて、IRセミナーのプレゼンも工夫することが必要ですが、この視点は甘いと言わざるを得ません。だって、IRセミナー、投資家対象のプレゼンなのですから。

売上の伸びが鈍いことについても聞いてみましたが、当面は無理に売上を追うのではなく、開発等を優先して考えたいということを言われていました。開発も営業も同じ人員ですすめているというような事情もあるようです。

その後の21.6期以降は、また利益も売上も成長軌道に回復するという目標となっていますが、目先、踊り場的に見える減益予想や売上の伸びの鈍化というのが嫌気されているというところはあるかと思いますし、マーケット的にはその後のこの目標については懐疑的ということなんでしょう。

であれば、ここについて、具体的に力を入れて説明し、理解を深めるように熱を込めて語ることがIRセミナーとしては求められると思いますが、全体にプレゼンが平板的であり、率直に言って伝わってくるものが弱いです。

株価が下落している時は場合によっては投資のチャンスでもあります。

例えば、21.6期にはまた大きく伸びるという営業利益の中身について、これまでのストック的な部分として堅く得られる部分と、ここから伸ばしていく中で新たに積み上げることを目指す部分とを分けて、ストックビジネスの特徴を業績目標と合わせて具体的に説明する、目先の投資の内容をどう利益に反映させていくかの見通しの部分を詳しく強調するなど、プレゼンにも工夫が必要かと思いました。

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