7794イーディーピー 輸出保留の停止←なんのことやねん?

こちらのリリース。「輸出保留の停止に関するお知らせ」とありますが、なんのことか状況を知らない人にはよくわからないでしょう。

これは下記のリリースと関係あり。

輸出貿易管理令の一部を改正する政令の施行による影響について

先端半導体関係の製品の輸出については規制対象となる機器、物品等があるのですが、その中にダイヤモンドの基板等が追加されたわけです。

ダイヤモンドはその特性等からパワー半導体等への活用の研究がなされており、イーディーピーは人工のダイヤモンドの基板も作製しています。ただ、これはずっと研究が継続されその成果も時々報道されたりしますが、まだ実用化、量産化段階には至っておらず、そこへはかなり高いハードルがあります。しかし、素材としての特性は非常に優れたものがあるため、可能性としてはかなり大きなものがあるともとらえられます。

ただ、イーディーピーが出荷しいたるこの基板は研究用等の限定されたものであり、ここの主力は宝飾用の種結晶LGDです。

宝飾用だからデバイス用の基板には該当しないという解釈で当初は輸出を行っていたものの、当局とのやりとりの中でこことは見解が異なる部分があるということになってきて、4月以降は自主的に輸出を停止するという対応をとっていました。これがまあ「寝耳に水」的なリリースで、ここはその売上のほとんどが輸出用の宝飾用種結晶なものですから、4月以降はほとんど売上が立たないような状況になったということになります。

それがとりあえず許可が出て部分的にですが輸出が正式に可能になったというのが最新のIRのリリースということになります。とりあえずこれで昨日は株価は大きく反発しました。が、また今日は下げていましたが。

IRの方にもちょっと聞いてみたのですが、今回当局の許可を得た中東や欧州向けの案件以外についても、順次改正後の 法令に則した輸出許可申請を行い、当局の許可を得るよう進めているということです。法令に則した輸出許可申請を行っているわけですが、基本的にはこれは許可が出ると見て間違いはないでしょう。

但し、その輸出規制そのものが対中国を意識したものですから、中国向けへの輸出は困難になるかもしれません。ただ、ここも確認させてもらったのですが、そもそもイーディーピーは中国向けの輸出は皆無ではないもののごくわずかで、ここの輸出ができなくなっても業績への影響はごく軽微と考えているということでした。

とりあえずやれやれというところですが、ここで注目する必要があるのはリリースにある「現時点では、2023 年5月 12 日に公表の 2024 年3月期通期業績予想の変更はありません。業績見通しに変更の必要が生じる場合は、速やかに対応する方針です。」という部分です。

普通に考えると、4月以降の輸出の自主的な停止の影響は相当に大きいように思え、通期であれこの状況をふまえれば5月時点での業績予想は下方修正が必至のように思えるのですが、当然この状況を含んだ上で会社側は現時点では業績予想の変更をしていません。

つまり、これは、これもリリースの文言を引けば「当社の多くの海外顧客より製品出荷について強い要請」により今後止まっていた輸出が再開されることによりストップされていた分はカバーされ、基本的には出荷時期がずれるということで極端な悪影響は回避できると考えているのかということにもなろうかと思います。

このあたりについてはまたちょっとIRの方に聞いてみています。

なにか返答等ありましたらその要旨等、書いてよさそうなことはまた書くかもしれません。

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