7794イーディーピー 赤字継続 ようやく業績予想 回復は遠いか(1)

7794イーディーピー

2024年3月期 第3四半期決算短信

大手顧客の需要変化、小型種結晶の価格下落、半導体材料関係ということでの「自主的」輸出停止、主要顧客企業のあるイスラエルの戦争等様々な悪材料、状況の変化で非常に厳しい決算になっています。

数字もですが、決算短信のコメントをひろってみると・・・。

以下、決算短信からの引用。太字、赤字はこちらでつけたものです。

「1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期累計期間における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻による戦況が膠着状態となり、引き続き世界経済に影響を与えました。一方、2023年10月7日に攻撃が始まった、パレスチナとイスラエルの紛争で、エネルギー価格の高騰が心配されましたが、中国経済の停滞状況もあって、大きな変化はありませんでした。インフレ抑
制のための各国の政策金利の上昇は、上昇のペースが落ちたこともあり、米国景気への影響はほとんどなく、世界の景気状況に大きな動きはありませんでした。
当社製品の主要なビジネス分野であるLGD市場は、当第3四半期累計期間において引き続き市場規模が拡大しております。イスラエルには当社の大口ユーザーがあり、上記の中東での紛争がその操業に大きな影響を与えました。それまでは、当第3四半期会計期間より大口ユーザーの発注が以前のレベルに戻るとの予測を行っておりまし
たが、それが実現するような状況ではなくなり、当社は計画していた出荷ができませんでした。
LGD製造企業の中で、インド企業がその生産能力を大きく拡大しており、これによって小型宝石出荷量が拡大した状況に変化はありませんでした。この結果、LGD価格の低下傾向は継続しており、他の地域のLGD企業が困難な状況に陥っていると見られます。インドにおいては種結晶価格の低下が著しく、当社も価格情報を入手して、対応を
進めております。こうした情勢の下、種結晶の売上は、前年同期比で大幅な減少となりました。しかし、大型種結晶の需要の増加は顕著であり、新たなビジネスにつなげるため、当社は2023年8月に13x13mm及び14x14mm種結晶を発売いたしました。また、2023年11月には15x15mm種結晶も発売し、合わせて大型宝石製作のための種結晶をラインアップいたしました。
ダイヤモンドデバイス開発は、世界中で活発に取り組まれており、電気自動車のパワー制御や、量子コンピューターとしての応用が期待されております。日本及び世界各国にダイヤモンドデバイスの開発に取り組む企業が誕生し、各国の開発支援策も整ってきました。当社は創立当初からダイヤモンドデバイスの開発に資する各種基板、ウ
エハを出荷してきましたが、パワーデバイスの開発を後押しすべく、2023年8月には低抵抗基板の実用化を公表し、当該基板の販売を開始いたしました。大学や研究所だけでなく、世界各地のベンチャー企業からも基板やウエハの受注は順調に推移いたしました。こうした情勢の下、これらの受注が第4四半期会計期間の売上に寄与するこ
とは確実な情勢です。
一方、これまでの為替の円安傾向は、当第3四半期会計期間においては逆行傾向が見られました。以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は499,550千円(前年同期比76.3%減)、営業損失は236,630千円(前年同期は1,056,127千円の営業利益)、経常損失は156,696千円(前年同期は1,047,839千円の経常利益)、繰延税金資産の取崩しの影響により、四半期純損失は170,923千円(前年同期は727,170千円の四半期純利益)となりました。また、当第3四半期累計期間の製品種類別の売上高は、種結晶380,415千円(前年同期比81.2%減)、基板及びウエハは82,067千円(前年同期比126.8%増)、光学系及びヒートシンクは23,383千円(前年同期比12.8%
減)、工具素材は13,684千円(前年同期比15.2%減)となりました。なお、当社はダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。」

つまり

・イスラエル向けは紛争の影響で計画していた出荷ができず

・種結晶の価格低下が著しく、売上が減少

・ウエハの受注は増加するも、利益につながる段階ではない

ということです。

今後の可能性は

・大型種結晶の開発進展と商品化

の部分。

ウエハ云々はまだ材料性という範囲で業績、利益に直接寄与する段階にありません。

つづく。

にほんブログ村 株ブログ 銘柄・投資企業へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です