「宝くじ」や「博打」「帳簿つけ」よりも、企業そのものの理解を深めることがベース(2)

「宝くじ」や「博打」「帳簿つけ」よりも、企業そのものの理解を深めることがベース(2)

企業そのものの理解を深めることは楽しく、その幅は広い

インベストメントの投資において重要なのは、その対象となる企業そのものについての理解を深めるということになります。まあ、就活生だって企業研究はするわけですが、この場合、その目的が異なります。自分が就職する対象としてその企業はどうなるかを考えるのと、投資対象としてどうなのかを考えるのでは、その健闘内容として重なる部分はあっても、視点は大きく違います。

ただ、直接その業界と関わりのない「素人」が企業について理解を深めるといっても、そこには当然、難しさも限界もあります。いくら決算短信や有価証券報告書や目論見書やアナリストレポートを読み込んだり、あるいは実際に工場見学でもしたり、その企業の製品やサービスを利用したりしたとしても、その業界の専門家や直接その企業で働いている人や取引先等々のインサイダーの立場の人と比較すれば、実感としてあるいはポイントとなる部分について、そうした人を超えて理解を深めるというのは難しいところがあります。

ですが、投資の経験があると、そんなに深い理解にまで至らなくても、ある切り口で有望な投資対象が見つかるような場合がないとは言えないし、逆に投資対象としては適切ではないととらえられたりする場合があります。

いずれにしろ、こうしたリサーチの幅は非常に広く、それまで自分がほとんど、あるいは全く知らなかったことへアプローチしていくという知的好奇心と関わった楽しさがあり、それは深めていけばいくほど、少なくとも大きな間違いとか勘違いをしでかすようなことが少なくなることにはつながっていくと思います。

実際にどう考えるか?例えば3480ジェイ・エス・ビー

例えば、これ、実際にはどんな順序でどう考えるか?。例えば、直近、決算の出た3480ジェイ・エス・ビーの場合。

3480ジェイ・エス・ビー?。知らんなー。地元の会社?。不動産関係?。学生マンションの企画、運営?。特に目新しさとかは感じない。

不動産の管理って別に目新しさもないし、成長性も乏しいのでは?。学生マンションってなに?。あー、昔の学生向けのアパートみたいなのが今はあれこれよくなっているということですか。しかし、若い人の人口は減っているし、学生数も伸びないだろうし、ペースのパイそのものの成長が見込めない事業が大きく伸びていくとは思えない。

が、学生マンションは商売としては意外と悪くないところもある。入居率が非常に高いし、家賃のとりっぱぐれとかもほとんどない。大学当局とか大学生協なんかとのつながりも重要で独自の運営のノウハウの蓄積もありそう。

実際、管理戸数は着実に伸びているし、売上、利益も増大している。学生数は目先、そんなに極端に一気に減ることはない。小規模な業者を取り込むなどすれば管理戸数はまだ相当に増加する可能性はある。学生の賃貸物件全体に占める当社のシェアそのものは現状、トップ企業ではあってもすごく高いということはないから、まだここから伸びる余地はあるだろう。

が、株価の方はそれにしてはそんなに伸びてもいないのはどうしてか?。浮動株に難があって流動性が低いから、大きな買いは入りにくい。株主還元も高いとはいえず、なにせ知名度が低い。逆にこうした上場株式としての位置づけが改善されれば、それは株価に反映されやすい可能性があるようにも思える。

それにしても、やはり学生マンションだけの事業でいいのか。成長の可能性をどこに見出すのがいいのか、現在のメインの事業以外に。老人ホーム的な事業は既に実施しているが規模が小さい。基本の方向性は2つ、一つは「不動産賃貸」という包括的なくくりの中で、なにをどう広げていける可能性があるのかということ。もうひとつは管理物件には実際に学生さんが入居しているということ。この「学生さん」対象ということで考えられる事業の可能性はどうなんだろう?。

まあ、こんな流れでの理解が現状です。こういうのを各企業にあてはめて考えてみると、だいたい、2つか3つめの段階では、かなり本質的な問題、課題にぶち当たるように思います。そこでなにをどう判断し、理解を深化させていくかということがポイントになるように思います。

こういう作業というのはわりと面白いし、その過程であれこれのことを調べたり考えたりすることによって新しい知見が開かれ、見方、考え方に変化が生じたりすることもあります。

 

 

 

 

 

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