もっと言ってはいけない

図書館本。

なにかイラッとした感じが残る一冊。

遺伝子的な特質や、社会制度や環境も含んだ「人種」的な特徴によって、大きくまとめれば、「知能」は人種によって高低差というのが明確にあるという内容そのものにイラッとするのではなく(これについては、そりゃ、多分、そうなんだろうという程度の印象)、だったらどうする、どうした方がいい、どうするのはよくないという、著者なりの方向性とか結論というのを(多分わざと)示すことをせず、なにかしら、「そのまま」投げ出すような形で終わっているところがイラッとさせられる原因のように思う。

「日本人」あるいは「アジア人」の特徴の背景の「分析」のようなものは、お話としては面白い。

まあ、短い時間軸での社会論と、比較的長い時間での遺伝子的な生物学論が、これまたわざと、まぜこぜにされて、著者がよくする、いいとこ取り的に興味深い論文の趣旨などを紹介しながら話をすすめていく形でまとめられている本書は、この著者らしいということもできそう。

嫌いではないんだけど、もう一歩、二歩、まともに、真面目に、踏み込んでもらいたいものだという感じがしました。

 

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