いま選ぶべきアクティブ投信この8本! 趣旨はわかったけどウソ書くな
いま選ぶべきアクティブ投信この8本!
図書館本。
セゾン投信の中野さんの本。
主張の趣旨はわからないでもないですし、挙げられている投信はそれぞれしっかりとした運用方針のもとでの運用がすすめられているものだとは思います。
が、まず、私自身は、とりわけ日本株については、自分自身で長期でのポートフォリオ運用をすすめていくので、インデックス、アクティブどちらであっても、投資信託を実際に利用する可能性は非常に薄いです。
なぜ、個別銘柄運用の楽しみを放棄して、それを投信に任さなければならないのか、そういうことをする意味がありませんので。
「あんたはそりゃ、好きにしたらよろしい!」と言われそうですが。まあ、事実、好きにしているわけですが^^;。
まあ、手間暇かけたくない、あるいはかけられない人の場合は、インデックス、アクティブ、どちらでも、投信での資産運用は考えてもいいと思いますが、自己責任を自覚しつつ、楽しんで運用するのであれば断然個別銘柄運用です。かのマルキール先生もそのようにおっしゃってますよね。
で、本書ですが、アクティブ運用の意味、意義を強調したい意識が強すぎて、冒頭のインデックスファンド批判がかなり暴走しております。
P15-16「極論になりますが、インデックスファンドこそが投資信託のすべてであり、アクティブファンドはみな悪であるという認識が広まり、すべての投資信託ホルダーが、インデックスファンドしか保有しない世の中になったとします。すると、株価はまったく動かなくなります。」
って、なんでやねん!。びっくりするわ!。
あのね、極論もなにも、株式を売買するのはアクティブだかパッシブだか知らんけど、ファンドだけかい?。個別銘柄を売買している投資家がここにいますけど(個人投資家)。機関投資家は個別銘柄の売買はしないのかい?。自社株買いは?、自己売買部門は?等々、ファンドと関係ない投資家なんていくらでもあるわけで、そうした投資主体が様々な思惑で売買するから、アクティブだとかインテックスだとか関係なしに、株価はいくらでも動きますよ。
そもそも、個別銘柄のファンダメンタルズ的要因も日々変動するし、マクロ経済の様々な要因、状況も変化するわけで、それにそって株価は動くでしょ。
まあ、この書き方は、少なくともこの部分だけとれば明白な誤りで誤解を生むので、訂正した方がいいです。
まあ、せいぜい「株価の変動の幅が小さくなる可能性があるかもしれません。」ぐらいでしょうか。
それから、コストが安すぎると運用会社が立ち行かなくなり、繰上げ償還になったりすると投資家に迷惑をかけたりする可能性もあるので、コストが低すぎる、コスト引き下げ競争に必死になるのは考えものだ的な文章があるのですが、まあ、これも「味噌もクソも一緒」的になっていて、別の意味のことを意図的にか一緒にしてます。そりゃ、あんた、運用会社内部の事情のことで、まず、運用コストが安いということは投資家にとっては明らかな一つの「正義」です。
同時に、運用方針にそって運用を長期安定的にすすめていくことも大事なわけで、であれば、コストだけをインデックスファンド選択の場合の基準にするのではなく、運用会社、運用期間、トラッキングレコード、資産総額なども見て、総合的に判断しましょうということにすぎません。
あと、アクティブファンドが負けてるって、それ、米国のデータでしょという話が出てきますが、伏線だけ張って、回収されてませんが。日本のちゃんとした検証データはあるの?、ないの?。
アホくさいファンドが多すぎるという批判はもっともな部分が多いです。
挙げられている推奨ファンドは結局、銘柄数を限定、厳選しているものか、対象を中小型株にしているものが多いように思われます。
確かにこれだと運用の巧拙というものが如実に出るでしょう。いいでしょう、伏見の光ファンドと長期で勝負してみましょう^^;。