蜜蜂と遠雷

今日、MOVIX京都で見てきました。松竹の優待利用。これは、恩田陸の同名小説を映画化したものです。

4人のピアニストのピアノコンテストの話ですが、原作の独特の雰囲気、世界観をどこまで映画に引き継げているのかに興味あり。

結論だけ言うと、私には原作の雰囲気を損なうことなく、映像化することには成功しているように思えました。

が、そこを超えてはいないという印象。

まず、この物語は4人のキャラクター設定が明確というか、違いがはっきりしているところがよいです。

それを、松岡茉優、森崎ウィン、鈴鹿央士、松坂桃李の4人について、漢字一字をあてはめてみると、「悩」「極」「完」「実」という感じでしょうか。

これまであまり見たことがない鈴鹿央士君がよかったです。

原作を超えるような映画というのはなかなかないかと思います。

悪くすると、原作のよさをぶちこわしてしまうような、よくわからない映画もあったりしますし。

原作を超えるというか、原作とはまた違う世界を映像の中で表現していくためには、単に原作をなぞるだけではなく、原作に対する独自の解釈が必要です。

例えば、「砂の器」。野村芳太郎監督の昔の映画ですが、これは原作そのものが名作である上に、原作には詳しく触れられていない「奥の細道」のように各地を歩く二人の姿を丁寧に描き出すことで、その背負っているものの重さを深く感じることができたりします。

 

原作の「砂の器」は、その後、森村誠一の「人間の証明」など多くの作品に影響を与えていると思います。

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