デイトレード(1)

とりあえず通読しました。全体として、昔読んだ時ほどの新鮮さはありませんでした。が、短期トレードの心得としては重要なことが繰り返し書いてあり「いい本」ではあるとあらためて思いました。

最初に、この「デイトレード」という書名が内容と合っていません。内容的には短期トレードの心得的なことに終始しており、デイトレードそのもののテクニック等についてふれている部分はまったくなく、短期売買まで広げても、一番最後の方にわずかに関わる内容が出てくるぐらいで、具体的な売買方法等についてはほとんどふれていないのです。

それもそのはず、本書は原書ではもともと二部構成で、テクニカル指標云々や売買ルール等については二部でふれられており、それは米国の状況をもとに書かれていて、ここまで含めると膨大な内容となるため本書ではまっとくとりあげられず、原書の中で一部、前半のみを翻訳したのが本書だからです。

で、結局、書かれていることは何かといえば「損切りも含めて、ルールを厳格に適用したトレードをしっかり継続する」、極限すればこれだけです。

逆に言えば、このことが非常に難しいということですね。人間の普通の心のあり方からして、よほど意識しないと、このルールの厳格な適用というのが難しい。それは人から与えられたルールということでなく、自分自身で考えたルールであってもです。

本書で書かれているのはデイトレードを含む短期売買についての心得です。それは、同じ株式市場での株式の売買を伴うものとはいえ、企業のファンダメンタルズ的価値に着目した中長期での投資、インベストメントとは意味が大きくことなるものです。これらは別にどちらが有利とか不利ということはありません。ただ、個々人にとっての向き、不向きとか、得意、不得意といったことは当然あると思いますが。

なお、本書の初版の出版は2002年です。購入した書籍は2019.6の33刷のものです。ここまで版が重ねられているということは、それだけ、本質的、普遍的な内容が含まれていることのあらわれでもあるかと思います。

 

 

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