デイトレード(2)
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デイトレード(2)
トレードとインベストメントは意味が違うから優劣は比較できない
前述したように、本書はもともと原書では二部構成であったものの前半部分のみを翻訳したもので、その内容は「短期売買の心得」のといったものです。
暴騰のところで、以下の記述があります。
P27
「2日から2週間先を見通す姿勢でマーケットに参加しなくてはいけない。過去を取引することはできない。また、あまりにも遠い将来を正確に予見することもではない。しかし、すぐ目の前にある期間については、ある程度の確信を持つことができる。適切な表現がないので、この期間を目先とでも呼ぼう。目先において、我々トレーダーは、我々が求める正確性、成功、安心を得るのである。」
本書はこういうデイトレードを含む短期トレードの心得についての著作であり、当然、この短期売買が優れたものとなりうるとの判断があります。が、別に中長期投資がためということではなく、短期売買よりも「普通」の「まとも」な銘柄に中長期で投資する方が楽で成果があがりやすいと感じるところも個人的には大いにあります。
しかし、それは本書のスタンスと対立するものではないと思います。
短期のトレーディングと中長期のインベストメントは同じ株式市場での売買を通じて行うというところでは共通点があっても、視点、意味が異なり、方法も異なるものであり、同じ土俵で優劣を競うものではなく、併存、並立するものだと思います。
もちろん、個々人にとっての向き不向き、好み等はありますが、どちらがよいとか優れているといった形での比較はできないと思います。
個人的には中長期のインベストメントを主体としながら、短期売買も部分的にそこに組み合わせて取り組むようなスタンスをとっているつもりです。
テクニカル分析嫌い
p34には「テクニカル分析を知るか、死ぬか」という項があります。
短期のトレーディングにおいてはテクニカル分析を売買判断の基準とし、それ以外のあれこれの要因でその判断を変更するべきではなく、損切りの水準を設定してそこに到達したら、ただそれを厳守するだけのことというわけ。ここらはトレーディングにおいてはかなり本質的なところかと思います。
個人的には、テクニカル分析とやらは嫌いです。過去の値動きの単純な分析から将来の株価の値動きが的確に予想できるとは思っていません。
なので、通常の売買にテクニカル分析とやらを活用することはしていません。これは基本的には今後も変わらないでしょう。とくにその必要性や意味を感じてもいないので。
ただ、こうしたものを売買やポジジョン管理の判断にうまく活用できる人というのも実際におられると思います。そうした人にとってはその方法がむいていて有用なんだということなのでしょう。
それは、テクニカル分析そのものの一般的な正確性、有用性を証明しているというよりも、うまく活用している人の使い方やその判断、ポジジョン管理などがすぐれているということだと思います。そして、他の人がうまくトレードできているからといって、それをそのまま真似しようとしてもうまくいかないことが多い。それは他人は他人で自分ではないから。参考とするところはあったとしても、結局のところ、自分に合った方法やスタイルは自分で構築していくしかないと思います。
つづく。