投資に役立つ羽生善治の言葉(1)←「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」より
今日はもみ合いで、9:24ではPFはわずかにプラスです。最終的にどうでしょうか・・・。
P62~
「人間は、誰でもミスをするものです。ですから挑戦をしていくときに大切なのは、ミスをしないこと以上に、ミスをした後にミスを重ねて傷を深くしない、挽回できない所状況にしないことだと思っています。
ところが、実際はミスの後にミスを重ねてしまうことが多い。どうしてそうなってしまうかというと、動揺して冷静さや客観性、中立的な視点を失ってしまうことが理由のひとつでしょう。
ですから、私は一息つくということが、とても大事なことだと思います。例えばちょっとお茶を飲んで一服するとか、外の景色を眺めるとか、おやつを食べるとか。ごく短い時間でいい。小休止によって、ミスを重ねることを防げるようになります。
もうひとつ、ミスを重ねてしまう理由として、「その時点から見る」という視点が欠けてしまうことがあると思います。
(中略)「こういうやり方でいこう」とプランを立てたら、その道筋が時系列でちゃんと理屈が通っていて、一貫性があるのがいい。ところがミスをすると、それまで積み重ねてきたプランや方針が、すべて崩れた状態になるわけです。
すでに崩れてしまったのですから、それまでの方針は一切通用しない。そのときやらなくていけないのは、「今、初めてその局面に出会ったのだとしたら」という視点で、どう対応すればよいかを考えることです。それが「その時点から見る」ということです。」
(太字はこちらでつけたものです。)
なんにでもあてはまりそうなコメントではありますが、とりわけ株式投資、特に短期的なトレーディングなどでは、これはあてはまる部分が多いと感じます。
短期的に上昇すると思って買ったけれど、思惑に反して株価が下落するといったことは、売買をしていれば頻回にあります。その時、あー、また上昇すねこともあるかもしれないし、売らなければ損失は確定しないのだからと、含み損のままポジジョンを維持し、「中長期投資に移行」する。ありがちなことです。
行動経済学の基礎的な知見のプロスペクト理論によれば、人は損失の痛みというのを利益の喜びよりも大きなものとしてとらえがちな傾向があることが明らかにされています。だから、損しないようにふるまうし、合理化できるような理屈を見つけようとします。また、熱くなって無理なポジジョンをとり、傷口を広げるようなこともよくありますね。
「その時点から見る」というのと関わって言えば、例えば、思惑と違って株価が下がっても保有を継続する場合、「本当に今のこの株価でこの銘柄を買うのがいいと思うかどうか」とあらためて問い直してみるのはいいかなと思います。
IPO初値買いスキャルピングの場合、あらかじめ考えているイメージに従って、短時間で売買判断をすることが求められます。
今年の例でいえば4495アイキューブは初値買い後にすぐ撤退し4万円強のマイナスが出ていますが、方針どおりに「うまく」負けられたという意味では、すっきり感がありました。トレーディングにおいてはこうした売買が求められる局面というのは多いと思います。
つづく。