IPO初値買いスキャルピング考 2020.11バージョンアップ(2)

IPO初値買いスキャルピング考 2020.11バージョンアップ(2)

この売買の難しさ、課題

この売買は単純なトレードであり、インベストメントとしての投資とは無縁です。なので、「買って上昇したらすぐに売るつもりだったけれど、下落したので中長期でじっくり保有することにした」というような方針転換や合理化はせず、うまくいかないものは即刻失敗を認めて撤退する損切りを行うことを大原則として考えています。

この売買は私自身の場合は以下のような難しさ、課題があると考えています。

・初値形成時にリアルタイムで値動きをウォッチしておく必要がある(損切りをあらかじめセットしない場合)。

・メンタル的に安定した状態で取り組むことが求められる

・損切りの判断、基準が難しい

「リアルタイムで値動きをウォッチしておく必要がある」と書きましたが、あらかじめ、逆指値の損切りなども含めて売買注文をセッティングしておく方法も可能かと思います。こうすれば、必ずしもリアルタイムで見ておく必要はありません。証券会社によっては、IPO銘柄の初日の信用取引で、あらかじめ利益確定と逆指値の両方のセット注文ができるところがあるかもしれません。

ただ、私自身はリアルタイムで実際の状況をウォッチしながら売買したいです。そのため、それができないような状況の場合は、売買を見送るということになります。これと同じ方法をとるのであれば、日中、仕事等でザラ場の値動きを見られない場合は、この売買は難しいです。

また、初値形成は、ちょっと目を離しているうちにいきなり寄って、そこからの値動きが急というようなこともありえます。まだ寄らないかと思っていたら、ちょっとまとまった売りが出て急に寄るようなこともないことはないですから。ここは注意が必要で、売り買いの株数が近づいてきた場合、余裕をもってウォッチし売買注文が入れられるようにしておくのがよいです。

実は私はこの売買は高齢者に結構向いているのではないかと思っています。但し、当然のことながら認知症などの傾向はなく通常の判断が相応にすばやく的確にできるという前提でです。高齢者の方は時間的には余裕があるという場合が多く、多少時間的に幅がある初値形成の時にザラ場の値動きをウォッチできる場合が多いと思いますので。

この初値形成からの値動きや売買注文を出すあたりというのは、まあ、結構、脳細胞は活発に活動していると思いますし、実際、ボケ防止にはいいでしょう。この初値形成前後のところというのは、いわば「博打」感覚でのドキドキ感というのがありますし、この感覚というのは悪くないのではないかと思います。

ただ、初値直後の値動きというのは、売り買い入り乱れての乱戦模様になることもあり、短時間でかなりの値幅で株価が上下に動く場合があります。

そのため、あらかじめ売買プランを持ち、損切りも確実に実施するなど、安定したメンタルの状況で取り組まないと、そのバタバタした値動きに惑わされて、わけのわからん注文をしたり(売り買い逆とか)、下落したポジジョンを放置して損失が拡大してしまったりすることになりかねません。ここらは留意が必要です。とりわけ、思惑がはずれて、いきなり株価が下落に転じた場合、どう判断するかというのが難しくまた重要なところです。

というのは、初値がついた直後は、様子見の株主からの売りに押されて株価がやや下落するということは普通にあり、ここを経過した後に株価が上昇するというパターンが多い一方、単純にそこからさらにズルズルと株価が下落し、いわば「壁」になってしまった初値水準を超えられないという場合もあるからです。

この判断はなかなか難しく、すべてのIPO銘柄について参戦するのではなく、当初から不人気が想定される銘柄への参戦は見送るなど、一定の参戦判断基準をもった上で参加するのもよいと思います。逆に言えば、当初のところは不人気で公開価格割れが想定され実際にそうなったとしても、初値買いスキャルピングの場合は、初値から上昇しさえすれば利益を得ることができる売買対象となる場合もあるということにもなります。買いにくいような不人気銘柄の初値形成時の値動きがどのような特徴があるか、調べてみて傾向を把握するのは意味があるかもしれません。もし結果がよければ、買いにくさから裁量で売買対象からはずすよりも、半ば機械的、システム的に売買対象に組み入れるようなこともいいかもしれません。

「つっかえ棒がはずれた後のおっとっと」理論

全般的に言えば、IPOの初値形成直後の株価は、値幅はその時々や銘柄により色々ですが、上昇しやすい傾向があり、完全に初値天井となる銘柄はまれで、ほぼ初値天井に近いような形になることも確率としてはそんなに高くないとは言えましょう。

私はこの傾向を「つっかえ棒がはずれた後のおっとっと」状況と呼んでいます(知らんがな)。なんのことかというと、初値形成時というのは、成行の売り注文や実質的にはそれと同様の指値での売り注文は原則としてすべて初値形成時に約定することになります。当然、それと同数の買いがあり、目先的には一気に株主が入れ替わるということになります。

この時点で、とりあえずは「すぐにどうしても売りたい」売り勢力は消えて、一度、売り圧力は弱まります。これも当然のこととして「どうしてもすぐに買いたい」勢力も同時になくなるわけで、+-でイーブンのように思えますが、買いたい、買おうかとウォッチしている買い勢力はそれなりに初値形成直後も残存している場合が多く、一方、売りの方は、初値買い部隊が今度は売り勢力となるわけですが、ここはできれば短期であってもそれなりに大きめの値幅で売却して利益を得たいと考えている割合がそれなりに多いとも思われ、様子見している既存株主も初値形成から数秒というような単位であらたに売り注文を出してくることは少ないように思われます。

この状況は株価は多少なりとも上に行きやすい、売り買いが拮抗して初値が成立した直後はつっかえ棒の売り勢力がはずされた形で、若干前につんのめるような形で株価が上にいきやすくなるとも考えられます。

ただ、この上昇は時間的にも値幅的にもそんなにもたない場合も多いです。そうであっても、初値買いスキャルピングの場合、短い場合は1秒以下、長い場合でも数分程度の時間のスパンの中で、初値からめざす値幅での上昇があれば利益は得られることになります。実際、今年の売買の中でも、記録上は秒単位までまったく同時刻での買いと売りで利益が得られた場合がありました。初値直後、即座に株価が上昇し、それで売却できたという場合です。実際は当然買ってから売っているわけですから、その時間のスパンは1秒未満だったということかと思います。

 

「だったら売っておく」状況

初値後、わずかに株価は上昇するけれど、その直後に初値以下に下落するというのもわりとよく見られるように思います。これは形としては「だったら売っておく」状況というのがあるように思います。

それなりの公開株数があり、かつ、初値が予想していたよりも高かったような場合、単純に成行なり実質成行と同じ売り注文が相当数あると同時に、当初配分があった投資家の中でできれば売却して利益を確定したいけれど、どうなるか売り注文を出さずに様子を見ている投資家もそれなりには存在しているはずです。こうした投資家は、初値が予想より高く思っていたとおりかそれ以上の利益が得られそうな状況だったとすると「だったら売っておく」とばかりに初値形成直後に売り注文をぶつけてくる場合もありましょう。ただ、これは初値形成後に注文が出されるため、わずかに空白で買い勢力が多くなる前述した「おっとっと」の前のめりの時間というのはある場合が多いようにも思います。

この「だったら売っておく」売りがそれなりにまとめて出ると、需給的には今度は売りが優勢となり、株価は初値からは若干下落する場合も出てきます。しかし、この様子見していた当初配分組の売りは長くは続きません。また、初値買い勢力は、いきなり細かい値幅で損切りしてくる割合というのは低いでしょう。

ここでまた売り買いが均衡する状態となり、様々な意味で評価する点が多い銘柄の場合は、ここから再度株価が上昇することも多いです。ここからの上昇は、全般に売り勢力が弱くなっているので、かなり勢いがつく場合もあります。逆にここで相当数の株数を売却することが可能なVC、ベンチャーキャピタルが存在している場合、その売り圧力が懸念材料となることもあります。実際に売ってくるかどうかはともかく、売ってくるかもしれないという懸念だけで買いを躊躇する材料となったりすることもありますので。

というようなのが、典型的な初値形成後の値動きのパターンかと思います。もちろん、全然これにあてはまらない場合もありますが、こうした感じで個々の銘柄の状況や特性に応じて、どんな値動きになる可能性が高いのか、事前に一定のイメージを持っておくことは意味があるように思います。

つづく。

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