図書館本。
「投資ジャーナル事件」で知られる中江滋樹の生涯を、彼自身への取材、インタビューをもとにまとめた一冊。中江滋樹は、なんかその髭面の風貌からイメージが麻原彰晃と重なってしまうところがある。
著者自身が「基本的に中江から見た事の経緯が中心となっている」と書いているが、批判的な視点から取材内容を検証している部分は少ない。
表面的に中江自身の自己弁護的な面も含めて語られた内容を追いかけて、その生涯を描いているが、まあ、波乱万丈といえばそのとおり、それをたどっているだけでも面白いといえば面白い。一気
に読めてしまう。
が、逆に著作としては深みはない。彼がたどってきた生涯を日本の当時の経済や政治の状況と絡ませながら重厚に描ききれば相当に面白い作品になり、映像作品にもなりそうなのだけど。