バルス
図書館本。
アマゾンを連想させるネット通販の物流システムと、それを支える劣悪な労働条件の派遣労働。
そしてそのシステムをストップさせる物流への「テロ」。
相場英雄作品と似た今日的な社会問題を取り上げた一冊で、途中でおよそ話の展開が見えてしまうとはいえ、テンポよく楽しんで一気に読み切ることができました。
「送料無料」?、送料が無料なはずはない、送料はかかっています。だから、それは送料込みという言い方の方が実態に合っていて正しいのにとよく思います。
我々が享受する「便利さ」はなにかを犠牲にした上で成立していることかもしれません。
あ、本のタイトルの「バルス」って、「天空の城ラピュタ」からの引用だったのね^^;。そういうのはありなのか・・・。
あと、この本ではロボット、AI、DXといった人の仕事を代替する様々なテクノロジーについては全くふれていません。また、外国人労働者は全然登場しません。
経済の本ではなくて小説ですから、お話としてあまり色々な要素を持ち込むとややこしくなるというか、話としてのスッキリ感が損なわれるところもあるかと思うのて、これはしょうがないか・・・。