IRセミナー 4465ニイタカ 評価☆☆

昨日のセミナー、3社目が4465ニイタカでした。株価はこちら。

評価は5段階中2で低いです。ポートフォリオ組み入れを検討するような対象にはなりません。

いいところを探しましょうか。ここは2022.7に配当政策の基本方針を変更し、連結配当性向30%orDOE2%ということしています。その結果、年間の配当は64円予想となり、それに加えて半期でのジェフグルメカード等の優待もありますので、時価2,000円程度の株価では配当+優待利回りは相応に高いです。

ここの主力製品は飲食店等の業務用の洗剤などです。それに加えて昨今は消毒用等の製品も伸びており、旅館などで小さいお鍋用などに使われる円柱形の小型燃料でも高いシェアがあるようです。それはいいのですが、説明の中でも、質問をしての回答でも、いったいどの製品群がどの程度の売上があって、その利益率がどうなのかということがきちんと示されません。細かい開示はしていないということですが、これでは投資判断のしようがないです。ここだけ取り上げれば、投資判断は☆、あるいは無印の最低ランクになります。

個々の製品の売上高がどうかということではなく、業務用の洗剤が80%程度、最近伸びている消毒用の製品と小型燃料がそれぞれ10%、利益は洗剤、とりわけ○○などの分野は高いが、××などでは競争も厳しく云々といった基本的な収益構造が見えてきません。これはIRセミナーの説明としてはかなり致命的で、現状をちゃんと理解することも先のことを見通して考えてみることも、そのもととなる材料が示されていないということになります。

また、こうした製品群は原材料が石油由来のもので、これらは輸入するためもとの資源価格の高騰に加えて急激な円安が加わるとかなり急激にコスト負担が増えたりすることもあります。実際、2023.5の業績予想では、原材料価格の高騰で11億以上、運賃の上昇などで2.7億程度の利益の減少要因となっており、2023.5は2022.5との比較で売上高は増えるのに利益は2/3程度に減少する見込みです。

飲食店の営業はコロナの影響もなくなって通常の状態に復帰してくるでしょうし、観光関係も旅館の客数等も増えて固形燃料の需要も増えるでしょう。

また、ライバル社としては花王やライオン、海外企業等名だたる企業がある中でもここは相応の売上を確保して利益を出していっています。製品そのものは細かな様々な工夫はあるにしろそんなにすごく差別化がはかれるような性格のものでもないように見えるのですが、それでもシェアが高い製品もあるようです。

例えば国内の張り巡らされた営業網等、なにかしら他社にはない独自の強みもあるはずですが、IRセミナーではそこらの強調も薄かったように思います。

ここはプライム市場を選択していますが、その基準に達していない部分もあり、プライム維持のためにはここからの株価上昇も必要です。まあ、無理して背伸びしプライム維持ということでなくてもいいようにも思いますが、ここらと関わって何らかの施策をとってくる可能性もある(例えば優待の拡充とか)かもしれません。

全体としてはやはり投資判断の材料が示されておらず、成長の可能性も見えてこない印象で、現状としては投資対象として意識するには至りません。IRセミナーとしては資料も含めてプレゼンのあり方に工夫が必要かと思います。

いただた消毒用の製品はありがたく使わせていただきます。

 

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