東大卒億り人が考案したロジカル株式投資 市場平均を超えるリターンを手に入れる超合理的な方法

図書館本。

キャッチーなタイトルからして「危険」な雰囲気あり。

全体的には図表やイラストなども多く、また行間をとった編集のため、とにかく読み込める内容が少ない。

また内容もウェルスナビのようなロボアドをすすめていて、「ロジカル株式投資」というほどのこともない、普通の資産運用の入門書というか、インデックスファンドを利用した資産運用のあり方の一つの方法なり発想について書いてあるというだけのことで、なんということもなし。

冒頭のところで株式投資は「ギャンブル」ではなく「投資」だと書いています。まあ、趣旨はわからないこともないのだけど、これ、それぞれの言葉の著者としての明確な定義なしに書かれているので、じゃあ何がギャンブルで何が投資なのというのがわかりません・・。本書に限らず、こういう本なり記事はありますが。

唯一、なるほど感があったのは、定額の積み立て投資よりも初期の一括投資の方の方が運用の時間分散になるという指摘。通常、定額ずつ積み立てしていく運用方法はドルコスト平均法効果もありリスクが低減されると考えられがちですが、これだと投資初期の投資元本は小さく、時間がたつにつれて積み立ての金額が大きくなるので、あとに行くほど投資元本の金額が大きくなり、平均していつも同じ投資元本での投資を継続していることにならず、株式中心の投資であればあとになるほど投資元本が大きくなる分リスクが大きくなります。

に対して、早い段階でまとまった金額を一括投資してしまうとその投資元本は追加がなければ変化はなく、ずっと一定の投資元本での運用を継続していることになり、こちらの方が時間の経過によってリスクが大きくなるようなことがないというわけです。

ただ、それはそうかもしれないけれど、初期のところでのまとまった投資が、いわゆる高値づかみ系になってしまった場合その後の運用は非常に厳しくなる可能性もあり、かつ、そもそも積み立てはまとまった金額で一括投資するだけの資金がない、あるいはそのように資金をふりわけたくない理由があるからそういう形をとる場合も多いでしょう。

若いうちは余剰資金は株式に投資してあとは生活資金についてはちゃんと確保しておくという方法は、相応に意味がある方法だとは思いますが、これだとメンタル的に安定した状態で投資を継続することが難しい場合もあります。まあ、ロボアド系に放り込んでおけば、暴落があってもジタバタ解約したりせずに投資を継続することができやすいかもしれませんが。

また、個別銘柄への投資の面白さやそのリスク、またパワーについて、ほぼ全くふれていない点も残念なところ。著者はそもそも本格的に個別銘柄への投資をした経験がないか薄いのかもしれませんが。

まあ、「とんでも」系ではないにしろ、全体に残念感がある一冊でした。

 

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