1社15分で本質をつかむ プロの企業分析(1)

文字数が少なく行間も広いため、読む量が少なくどんどんページがすすみます。文章が平易で内容がわかりやすいということもあります。

基本的には常識的な企業分析の入門書で、特に目新しい視点があったりするわけではなく、オーソドックスな内容という印象です。

単に数字だけを追いかけての過去の分析をするのではなく、未来を見通そうとすることが企業分析であるといったコメントが繰り返し出てきます。

自社、顧客、競合の3Cの視点での分析、内部要因と外部要因それぞれの強みと弱みの分析などはわかりやすいし、有価証券報告書を読み込むことを基本としているのも納得できます。マネックスの銘柄スカウターの活用なども共感するというか、私自身も時々利用しているサービスです。

本書で示されている企業分析のプロセスは井村俊哉氏が示している下記の内容と重なります。それだけ、なんというか常識的であり、普遍性があるということかと思います。

投資に至る全プロセス

①銘柄発掘
②業績確認
③事業概要
④銘柄メモ
⑤銘柄リスト
⑥開示読込
⑦アナレポ
⑧競合比較
⑨将来性検討
⑩IRヒアリング
⑪バリュエーション
⑫銘柄分析シート
⑬妥協なき情報収集
⑭カタリスト
⑮需給
⑯投資

 

企業分析は単なる定量的評価、数字を読み解くだけではなく、解釈、アート的な部分の定性的評価まで踏み込むことが重要であり、前者は前提、後者が本質という感じがします。

本書では「アマチュアでもプロに勝てる」と説くピーター・リンチの言葉が肯定的に取り上げられています。
趣旨はわかるし、もちろんアマチュアというか個人投資家でもプロに勝てることは十分にあるとは思いますが、身近な様々な事情を投資に生かすのはそう簡単でもなく、
しっかりした視点なしに生半可な判断をすると失敗する可能性も十分にあると思います。そのあたりの留意点、注意点などについてもちょっとふれてほしかったという気がします。

引き続き、最後まで読んでいきます。

つづく。

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