イオンシネマ、移動の手伝いで「従業員が不適切な発言」←どこが問題?

こちら。

車椅子を持ち上げる介助と関わって

「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえると、お互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか」と言われたということで、これと関わってイオンシネマは謝罪文を出してますが、どこがどう不適切なのかについてはふれていないですね。

このニュースを見て感じたのは、山田太一がかつて「男たちの旅路」の「車輪の一歩」で提起した問題はそのまま現在の問題、課題であるということでした。

さて、これはどこが不適切か?。

「今後はこの劇場以外で見てもらえると、お互いいい気分でいられると思う。」ここでしょう。

ではどう言えばよかったか?。

「こちらの劇場は車椅子の席を用意しておりますので、申し訳ないですが、今後はそちらをご利用いただけたらありがたいです。(シネコンでないところもあるのかな?)

できればこちらのシートも不自由なくご利用いただければと考えていますが、現状、当館のスタッフで段差を持ち上げる等の対応を行うのはお客様にも介助者にも危険が伴い、転倒等の可能性もございます。その際の責任の所在等の問題もあり、現状で当館のスタッフが介助を行う対応は今後難しいかと考えております。

なお、スロープ等の設置によりこうしたシートの利用が車椅子の方でもしやすいようにする、比較的危険度の少ない形での介助等を研修等も行った上でスタッフで行わせていただく等の対応は、具体的にいつまでどうとお約束はいたしかねますが、検討しすすめていきたいと考えております。ご理解のほど、よろしくお願いします。」

ではどうでしょう。

交通機関でも、エンターティンメントの施設でも、宿泊関係でも、どこまでこうした要望に対応できるかはそれぞれの施設の状況で違いがあります。その際問われるのは基本的なスタンスとともに安心・安全の視点です。無理に要望に対応することでかえって危険性を高めたり公平性が損なわれたりするようなことは避けるのが適当でしょう。

宿泊施設で星野リゾートの長野県大町市の界アルプスを利用したことがあります。ここは改装後の新しい施設なのに階上にある温泉の大浴場へ上がるエレベーターが設置されていませんでした。

こちらのブログでそのことについてふれられています。
古い施設であればともかく、改装した新しい施設でこのセンスはまったくもっていただけないと感じました。界のサービスは個人的には好みですが、こういうことがあるとがっかり感が大きいです。

イオンシネマの今回の件も、従業員の方の説明とともに、ハード面で車椅子の人がゆったりシートを利用しやすいような形になっていないという点で同様の課題を感じました。

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