キーエンス 株式分割についての見解 今年の総会をふまえて

ということでキーエンスですが、今年の質問でも理解できるような回答は得られませんでした。

下記に昨年の見解を書いていますが、考え方は現在もこれと同じです。

エンターテインメントとしての株主総会・キーエンス 株式分割と関わっての見解

一昨年に逆戻りしたような「様々な面があり一言では言えない」という、結局のところなにも伝わらないような抽象的な回答はそもそも回答になっておらず適切さを欠くと思いますが、議長(社長)の発言の中でいくつかこの2年間と異なる点もありました。

一つは高い株価を保つ意味についてふれたところ。取引先、海外、学生等にアピールするには高い株価というのは意味があるといった発言がありました。いわば高株価のステータス性というようなことです。これについてはまったく意味がないとは思いまませんが、キーエンスが今さら高い株価でのステータス性のようなものをアピールする意味がどこまであるのか疑問です。なにせキーエンスは国内の上場企業の中で株式時価総額3位を争うような超巨大企業であり、一般消費者向けの製品はないためその事業の内容まではよく知らない個人も多いでしょうが、それがビジネスの上で支障になるとも思われません。

また、東証と複数回、意見交換をしているという発言もありました。これは初出でしょう。まさかその中でも「様々な面があり一言では言えない」というような曖昧なコメントでお茶を濁すようなことをしているわけではないでしょう。さて、ここではどんなやりとりがあったのか・・。

また、他の方の質問への回答も含めて「企業価値の向上を最優先としてきた」というようなコメントが多いのです。逆に言うと、それと直接関係しないような事については優先順位が低く、最低限しなければならないことはするがしなくていいことはしない、といった受け取り方も可能です。

さて、株式分割をすると株主数が増えてコストや手間がかかり、その分、企業価値が損なわれるのでしょうか。むしろ、独善的な姿勢をあらためて取引所や市場の要請に応え、自社株式への投資環境を整備して投資しやすくすることは、まさに上場企業としての企業価値を向上させることになるのではないか。最後に個人株主の方が要望されたように、若い人にも投資しやすい環境を整える、そのことは直接本業で売上や利益を伸ばすのとは異なる点であっても企業価値の向上につながる施策でしょう。

なにもNTTのように極めて高い比率での分割を実施してくれということではありません。まずは時価で新NISAの年間の成長投資枠におさまる程度の1:4程度の分割はやはり早期に実施してもらいたいものです。

この点については引き続き株主総会等の機会を通じて伝えていきます。「あー、あのおっさん、またそれを言っている」と思ってもらえたら、それはそれでひとつの意味はあろうかと思いますし、切り口を変えながら質問してみることは楽しみでもありますので。

 

 

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