3480 (株)ジェイ・エス・ビー 楽天証券でWebIRセミナー よかったけどやはり課題あり
3480 (株)ジェイ・エス・ビー 楽天証券でWebIRセミナー よかったけどやはり課題あり
10/3にあってそれを見ておりました。
資料が明快でよかったですね。総花的にあれこれということではなく、とりわけ少子化、学生数減少傾向の中でもシェアを伸ばして成長していける可能性が高いことを丁寧に説明されていたことがよかったです。
だいたい、「若い人、学生が減るのに学生向けの物件って先細りでは」と単純に思われてしまうようなところがあり、この点の理解というのが得られにくい面が強いですから。
ただ、なお、ここの課題は株主還元の水準です。総還元性向20%という水準そのものが低く、特別配当、記念配当などで配当が一時的に増加することがあっても、この20%という数字、水準をあげていこうという方針が見えません。
成長投資に資金を投じるのはよいです。株主還元としての自社株買いもよいでしょう。ただ事業内容の基本はストック型のもので業績は安定的に推移しており、着実に成長もしています。
総還元性向を「低い」と言わなくていいような常識的な水準の30%とし現金配当20%、自社株買いとすることは十分に可能だし特に無理もありません。これだけで現金配当は倍増になります。このための資金は4~5億程度でしょう。
ここ、現状はやれるけどやる気が無い。逆に言えばここに改善の余地があり、それはビジネスそのものは安定的に推移し、着実に成長しているのにPERは10倍に満たないというような評価を現状より高めていくきっかけにもなろうかと思います。
また、株主還元については「公平性」の一言で導入については積極的に検討していないような印象があります。
株主優待は配当のような公平性がないのは自明のことですが、戦略的に株式の価値、評価を高める対策の一つとしてこれを戦略的的にうまく活用すればよいのにと思います。
単純なクオカードを配るような優待ならやらない方がいいぐらいです。それなら1円でも配当を増やした方がいいかもしれません。
そうではなくて、折角、世界的な観光都市の京都に本社がある会社です。また、多くの大学、大学生協とのつながりがあり、物件の家賃は保護者の方が支払っているということもあります。例えば、上記のような点と関わっての独自の優待カタログを設定するようなことはしようと思えば可能でしょう。
二親等以内の親族が学生マンションを利用していた場合、それに付帯するような学生生活を安心し充実したものにすることにつながるようなサービスを優待として提供するのもいいでしょう。例えば、ベネフィットワンあたりに専用のそうしたサービスを考えてもらうとか。つまり、物件利用者の保護者、実際の家賃負担者を株主として取り込むような視点での優待設定です。
業績は着実で、よく見たら相応の成長性もあるということはわかっても、配当は少ない、優待もないでは個人投資家にアピールできる点が少ないです。やはりこのあたりは改善点かと思っています。
逆に上記のような改善点があり、まださして評価が高まっているとは言い難い現状は投資の機会と考えられないこともないかと思います。