京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書
図書館本。
京大の川北先生の個別銘柄の長期保有による資産運用おすすめ本。
丁寧な内容で「そりゃそうね」状態ですが、部分的に異論も。
・短期売買について全否定である点
「まとも」な企業の株式の保有を継続する形の方が確実性もあり楽でもあると思いますが、短期売買もここまで売買コストが下がれば、自分なりの方法、ルールを確立し安定的に利益を出している個人投資家も、比率は低いと思いますが、実際にいます。中長期の投資、インベストメントと、短期の売買、トレードは意味が異なり、両者は共存するものです。
主張の趣旨はわかるものの、短期売買の意味はそれはそれとしてあるでしょう。
・個別株投資のとっかかりとして米国株をすすめている点
単元株制度の問題点については指摘のとおりですが、今は国内株については単元未満株売買もできるようになっており、その手数料の水準や売買の制約もほぼなくなってきています。つまり実質的には1株でも売買できるわけで、なにもあまりなじみのない米国株から入らなくても、イメージも持ちやすい国内の株式から入る方がむしろ自然でしょう。
・信用取引の活用方法
レバレッジをきかせた売買ではなく、リスクを低下させたり株主優待のみを取得したり、使い方によっては様々な活用方法があり、これがけっこうバカにならなかったりします。
全体としては真面目で納得できる内容だと思います。