4368扶桑化学工業 中間決算 好調に見えるが・・
4368扶桑化学工業 中間決算
決算短信はこちら。
さて、年間の業績予想と比較して、進捗率はどの程度で、その要因はなにか。売上高の予想については半期で50%強、それに対して利益の方は、営業も経常も純利益も60%強の進捗率です。ここでは年間の業績予想の上方修正はありませんでした。
ここで決算短信のコメントを見ると、全般的状況については
「新規顧客の開拓・既存顧客との関係強化・価格改定などの営業活動を強化したほか、原料資材の安定確保、京都事業所における新規製造設備の立ち上げ準備を行うなど、2024年4月に発足した生産本部を中心に、製造活動の強化、安定化」
セグメント別はどうか。リンゴ酸などのライフサイエンス事業。
「外部顧客に対する売上高が18,668百万円(前年同期比10.0%増、1,690百万円増)、営業利益は2,741百万円(同16.3%減、535百万円減)」
売上は増加しているのに利益は減少している。さて、どうして?。
「営業利益は、継続して取り組んでいる販売価格の改定効果はあるものの、円安による輸入価格やエネルギー価格の上昇等のコストアップ要因や、定期修繕を例年より長期間実施したことによる生産量の減少の影響」
値上げはしているけど、コスト上昇と生産量の減少が影響。さて、このそれぞれの要因がどの程度の影響なのかはこだけではわかりません。どの要因がどの程度の金額の影響があったかのチャートみたいなのとか、追加の説明資料はここは出していたかな。
会社サイトを見てみましたが、そういう説明資料は出してないですね。生産量減少の影響がなくなり、為替もここからはさいて急激に円安がすすまないとなれば、下期はやや改善するかもとかちょっと思いますね。
電子材料および機能性化学品事業はどうか。ここはCMP、研磨剤の材料のクロコダイルシリカなど。
「外部顧客に対する売上高が16,087百万円(前年同期比58.4%増、5,931百万円増)、営業利益は6,516百万円(同95.7%増、3,186百万円増)」
売上高で60%地区かの上昇、営業利益は倍近くになっています。これは想定以上だったのかどうか、数字だけだとすごく好調に見えますが、コンセンサス的にはどうなのか。
コメントを見てみます。
「AI用途を中心に需要は回復しました。半導体市場の回復により主力製品である超高純度コロイダルシリカの販売数量が増加したことに加え、コストアップ要因に対する販売価格改定や円安効果により、売上高は前中間連結会計期間を上回りました。営業利益は、鹿島事業所の新規製造設備の本稼働に伴う減価償却費や立ち上げに係る費用の増加によるコストアップの影響がありましたが、売上増加による影響が大きく、前中間連結会計期間を上回り増収増益」
販売価格改定と円安の効果がそれぞれどれぐらいなのか。基本的には全体としてはここは円安が好感されるのだと思いますが、業績予想の前提の為替レートはどうなっていて、企業全体としての為替の感応度(1円の変動で売上、利益ーへの影響はどれぐらいと想定されるかなど)はどれぐらいなのか。
ここは上記の疑問点などについてIRに聞いてみたらそれなりに回答がちゃんとあるのだろうか・・・。一回、聞いてみましょうか。
上記の状況が現在も継続しているとなると、9月末からは為替も円高にはいっていませんし、それなりの上方修正は期待できそうにも思います。ここの業績予想はどうなんだろう、保守的に出す傾向でしょうか。
というようなことを思いました。以前からポートフォリオに組み入れている銘柄ですが、これまでは丁寧に決算を見たり出来ていない銘柄です。