IRセミナー 2924イフジ産業 「液卵」が商品であることの意味
最近IRセミナーで話を聞き、細かく売買対象としているのがここです。
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ここの商品は「液卵」です。その製造工程の動画が下記。
液卵は鶏卵を割って、その成分からつくる文字通り液体の卵です。それを冷凍させたものもあります。
卵のどの成分でつくるか、他の調味料なども入れたものか等々製品個々で色々違いがあるようです。
さて、この液卵が商品ということでどういう特徴があるでしょうか。これ、卵そのものとどう違うのか、同じなのか。
まず、鶏卵そのものは作らず、自社の養鶏場とかはありません。卵は養鶏場から購入するということで、場合によっては海外のものを輸入することもあります・
また、ここが最終の食品のパンやケーキ、マヨネーズとかを作るわけではありません。液卵のシェアがトップの企業はキユーピーです。なんででしょうか。ここの主力製品はマヨネーズですからそれに使うということですね。で、液卵そのものも販売はしていますが。
ここは味の素などに液卵を販売しています。自社でマヨネーズをつくっているわけではありません。
ここからどういうビジネスモデルの特徴が導き出されるかというと、鶏卵の価格がどう変動しても、その仕入れ価格に一定の利幅をのせた形で液卵の製品を販売することにより、安定して利益を出しやすいということが言えそうです。まあ、個々の状況でそう簡単ではない時もあるでしょうが。
鶏卵の価格が安い時は液卵の価格も安くなります。が、利益を乗せる幅は原則として変わりません。となると、この場合はトップラインの売上高は減少するが利益率は高まることになります。鶏卵の価格が高い時は逆です。トップラインは増加するが売上高比での利益率は下がる。
他のあれこれの要因がなければ利益の額はどちらも同じで、売上高だけ見ていてもそれを鶏卵価格との関係で見ないとあれこれ見間違う可能性があります。
あと、イフジ産業は卵の価格の変動を利用しそれを利益の源泉としている部分があるのが面白かったです。
鶏卵の価格が安い時に買って、自社で余裕が相応にある製造能力を生かして液卵にして冷凍して保存する。鶏卵の価格が高い時に売って、利益を伸ばす。
つまり安く買って高く売るなので、考え方としては株のトレーディングに近いです。商品先物ではなくてまさに商品そのものの取引とも言えるかと思います。価格がフラットで動かないようなのが困るとも言われていました。
鶏卵の価格は季節性による基本的な変動パターンがあるそうですが、鳥インフルエンザ等様々な要因でこれが全く逆になったりすることもあるということで、いろいろ失敗もあつたということも言われていました。
あと、原則として高付加価値のブランド卵のようなものは原則としていりません。大手の取引先に対しては中味の成分が均一である、いわばコモディティであることが求められます。安い価格の卵をなるべく買うとも言われていました。鶏卵の価格が安い時は液卵の価格も安くなります。が、利益を乗せる幅は原則として変わりません。
一方、生産能力に余力があるので、特定の食品用とか外食産業用などで決まった高規格の卵とか調味料なども加えた、その用途専用の製品も製造、販売することもあるということでした(みあうだけのロットが明確で利益になる場合)。
ということで、単純に卵をつくっている、あるいはそれを利用した消費者向けの食品を販売しているということとはちょっと異なるビジネスモデルを構築しています。
一気に急成長するような事業ではないですが、利益は着実に伸びています。M&Aでちょっと毛色の変わった事業に取り組む会社も取り込みましたが、同業他社のM&Aの可能性もありそうです。
なお、ここの工場の一つは京都府南部の井手町というところにあります。またここは光通信が大株主になってますね。じわっと悪くないという印象でした。
あ、以前、優待があったたまご券ですが、これ、スーパーとかで使えるのですが、知名度が低く券を出すとレジの人が??となることがあり、確認に時間がかかることがあります。
あ、IRセミナーでたまご券いただきました、ありがとうございました。
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