千と千尋と北斎と(2) 渋温泉・小布施・大町の旅
千と千尋と北斎と(2) 渋温泉・小布施・大町の旅
金具屋、「かなぐや」と読みますが、渋温泉には何度も来ているので、この旅館の前も通ったことがあります。
木造4階建ての古い建物が有名で、これが「千と千尋・・」の湯屋のモデルの一つになったと言われているものです
(公式にそのようなコメントがあるわけではないですが)。
外観上、4階建てに屋根が乗っているこの建物は、確かに「千と千尋・・」を連想させるものがあります。
この建物は、別棟ま大広間とともに、国の登録有形文化財に指定されています。
この正面の建物がそれです。
この3階部分、下の方の部屋に宿泊しました。
旅館のサイトはこちら。様々な内容が掲載されていて面白いです。
泊まったのは、この一番上の205相生の寮という部屋です。
さて、この金具屋さん、全体の構造、構成はちょっとややこしく、この斉月楼という4階建ての建物の他、別の木造の宿泊部屋のある建物、
鉄筋コンクリートの建物などがあり、斉月楼にはあとからエレベーターがつけられています。
これだけではなく、旅館の背後は山の斜面になっているのですが、その上の方に2階建ての細長く大きな建物が作られ、そこには芝居小屋
のような大広間があります。
なお、斉月楼は古いといっても昭和8年の建築です。寺院建築のように江戸時代、室町、鎌倉、奈良、飛鳥といった時代からのものではありません。
行くまでは、ここは和風の伝統的な建築様式に沿ったしぶい、落ち着いた建物、旅館なのかなと勝手に思っていたのですが、
実際は全く違っていました。
「旅館」という制約のない条件の中で、様々な部分で遊び心いっぱいで工夫されているところがあり、これは当時としては、実に「NOW」で
「POP」な建物だったと思われます。9代目当主のコメントによれば「それまでの伝統やしきたりにとらわれない派手で豪華で奇抜な造形」
ということになります。
つづく。