今年はどうだい キーエンス株主総会(1)要望・質問文案とその回答
キーエンスの株主総会、今年は以下の要望、質問の文案を考えていました。
質問の狙いは以下の2点。
・株式分割と関わっての具体的なコメントをなるべく多く引き出す
・滝崎名誉会長の肉声を聞く。
要望、質問文案。ほぼこれに沿って実際に発言。緑字部分は実際の発言ではふれず。
要望
毎年同じ要望を出さなければいけないのを残念に思いますが、早期に1:10程度の比率での株式分割を行ってください。
すぐにこの比率が難しければ、少なくとも1単元が新NISA制度の成長枠の年間の限度額240万円におさまるように1:3の比率での株式分割を行っていただきたい。
要望なので直接の回答は不要です。
質問
これも数年毎年、同様の質問をしてまともに回答していただいていないのが残念、かつ適切さを欠くと思っていますが、この状況下で株式分割を実施しない主な理由を説明してください。
あらかじめ断っておきますが「様々な面があり一言では言えない」といった回答は不要です。これではまったく回答になっておらず主な理由がまったくわかりませんので。
取引所から投資額引き下げについての要請は継続しているでしょうし、最近でも多くの企業が高い比率での株式分割を実施しています。新しいNISAの制度も整備されました。こうした状況下で取引所からの要請があればそれに真摯に応えるのが基本だと思いますが、あえてそうしないのであればアカウンタビリティ、説明責任という点からなぜそうしないのか明らかにする必要があると思います。要請には応えない、説明もしないという姿勢は適切さ、誠実さを欠いていると思います。
そもそも、現状の一単元で600万程度が必要という状況はとりわけ個人投資家にとっては投資しにくくハードルが高いと思いますが、会社として同様の認識があり問題意識、課題意識がありますか。あるかないか。
結局のところ、株主数が増えると株主コストが増大し手間もかかる、企業としてメリットが少ないということが分割を実施しない主な理由ですか。そうなのか、そうではないかの。
まず、600万前後という1単元の金額について課題があると考えているのかいないのか、次に分割しない主要な理由が株主コストの増加や手間がかかるということなのかどうか、イエス・ノーで回答していただけると思うのでそれについて回答いただいた上で、現状、分割を実施していない主な理由について説明してください。
キーエンスは情報の開示が最低限で業績予想も示しません。企業のウェブサイトにIRの問い合わせの窓口もありません。株主還元の水準も現状で訂正かどうか検討の余地があります。とりあえずこうした点についてはここでは具体的に質問しませんが、企業としての独自性を発揮されることは素晴らしいが、それが土間全的なものであってはならないと思います。
名誉会長への質問
名誉会長、今年もお元気で株主総会にご出席され、誠に喜ばしく存じます。会社の現状や今後の課題について、創業者としてのお考えを一言ぜひお聞かせいただけますでしょうか。議長の方で、お取りはからいいただけますようお願いいたします。
1:10でも50万以上
株主コストは1人1000円程度。日経記事 井出さん
「投資単位の引き下げに踏み切れば市場は好意的に反応しそう」日経4/25記事
イオン分割
株式の流動性が高まる→売買しやすくなる→金融商品としての魅力は高まる。
上記茶色部分は今日、電車や会場での開会前のメモ。
結果的にどうだったか。最初の質問に加えて再質問をしました。
やはり、株主分割については、これが主要な理由であるということは示さず明言をしません。様々な要素を総合的に勘案してというような言い方です。
が、こちらの質問に対応して現状の一単元で600万程度が必要という状況について課題意識はある、株主増加による手間、コスト増加は判断する要素の一つであるとコメントしました。
これは質問のねらいに即し多少はかみ合ったコメントにはなっていました。
ただ、現状、分割しないことが株主の利益になると判断しているといったコメントについては、いったいなぜそういう判断になるのか具体的になんの説明もなかった点は不満でした。
今回の株主総会は昨年よりも意見、質問などを言った人数が多かったです。
物流センターの建築、M&A、海外展開、人材育成、配当政策等々でしたが、私の発言以後、分割については同様に分割を求める意見等が4人かな、3人だったかな、分割しない方がいいという意見が一人、テーマとしてはもっとも発言者数が多く、基本的には分割賛同の意見、要望が多かったのもよかったです。
名誉会長の発言については当初、議長が引き取って会社の課題について発言していましたが、重ねて名誉会長に一言と求めると議長がふってくれて、滝崎名誉会長からは「中田が発言したのと同様に考えている、特に付け加えることはありません。」という実質的には独自性のあるコメントではありませんでしたが、一言、しっかりした声を聞くことができました(去年はこれすらできず)。
全体として、質問のねらいに即した回答は、内容はともかくそれなりにあり、名誉会長の声を聞けたのも目的を達しました。
分割しないことについて会社側から合理的な説明がされていないことはさらに明確になったと思うので、それもまあよかったかなというところです。
他、感じたことはなどはまた別途記載します。
つづく。
