大阪有機化学工業IRセミナー(2)歴史より現在から将来 納得感があるEUV対応への投資

事業セグメント別の利益率、また各部門の売上の経年的な変化、その理由などの説明が必要ということを書きましたが、他にも改善点があります。

資料9でコア技術の説明がありますが、これはつまりは高純度化アクリル酸エステルの製造は難しく独自のノウハウがありそれが競争優位性につながるという一言でよい感じですし、11ページの歴史、沿革は資料として入れてもらうだけでよくここで説明に時間を費やす必要はあまりないように感じました。

それよりも各事業セグメントでの現在の中心的な製品とその特徴、また今後伸びる可能性が高い製品など、半導体関連だけでなく、売上の半分以上になる化成品、機能化学品などについても丁寧な説明があった方がよいと思います。ここで実際に私たちの身近にあるものとの関連などにもふれられるとよいかと思います。

が、ここはどうしても半導体製造関連の部分が注目されます。

ここに限らず、半導体の素材関連のところの多くは堅調な株価推移となっているところが多く、製造装置とともに国内企業が非常に強い分野かと思います。

ここがてがけているのは半導体レジスト用モノマーで、これらをレジストメーカーに販売するということになります。具体的にはJSR、東京応化工業、信越化学工業、富士フィルム、住友化学などがあると思われます。

ArFやEUVという名称でまとめられていても、その具体的な仕様は顧客によって、また個々の製品ごとで微妙に違いがあると思われ、こうした製品の開発は個々の企業と共同ですすめているところがあり、そのつながりは必然的に強いものになると考えられます。この関係は同じ半導体製造関連でも研磨剤の扶桑化学工業とフジミインコーポレーテッドやレゾナック、富士フィルムなどとの関係に似ています。

最先端のEUV用については現状、一気に需要が伸びてくるような状況にはなっていません。というのは、まだこの方式で具体的に量産化された製品をどんどん製造していくような段階になっておらず、研究開発とか顧客の評価用、検証用の段階にあるようです。

が、半導体の微細化が進みEUVが伸びていくのは確実視されるため、ここのEUV用の中量実験室への設備投資は、次の量産化へ迅速につなげていくという意図も含めて納得感が強いです。例えば最近「TSMCの熊本新工場、最先端品「3ナノ」に転換 AI向け需要増」というようなニュースがありましたが、こうしたことも関係があるでしょう。

なお、従来のArFの方式がEUVに置き換わるというよりもこれらは併存していくということのようです。

製造能力そのものは現状でも2028年まではは大丈夫そうということでしたが、金沢(実は金沢ではなく白山市)の工場に加えて山形県での酒田工場でも大規模な整備投資が計画されています。

ただ、これ、金額も時期も計画どおりにすすむりかどうか・・・。人件費も資材も高騰しており、人手不足等で工事が遅れがちになるようなことも各所で常態化しているようなところもあるようですから。

金沢工場は石川県の北陸高速の道路からよく見える海のすぐ近くにあります。ここ津波とかが来たら大丈夫なのか・・。無論、可能な備えはしているし、太平洋側と比較すればその可能性は低いのかもしれません。

が、巨大な地震に津波の被害が加われば、ここの製造が止まる可能性もあるでしょう。となると、世界の半導体製造に影響が出る可能性もありますから、酒田工場の生産能力を高めておくことは単に供給能力を高め安定化させるとともにリスクヘッジにもなりますね。

あと、米国に拠点を新設しているのですが、ここは半導体関係ではないですよね。なにかな、粘接着剤(自動車・電子機器)とかインキ(UVインクジェット、工業用印刷)でしょうか。

全体としてここの経営計画や方針には納得感があるものでした。プレゼン後にもちょっと質問等もさせていただき理解も深まりました。

投資対象として意識できるところかと思います。できれば全体の相場が急落したようなところから買いたいところです。また有価証券報告書等も詳しく見ておこうかと思います。

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