父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

図書館でリクエストして買ってもらった本です。

文章が比較的平易で読みやすいです。中学から高校生ぐらいからなら、こうした話に興味があれば、十分に読みこなせるのではないかと思います。

あ、そうそう、知らなかったのですが、この本の著者はあのギリシャ危機の時にギリシャで財務大臣をしていた人で、私と同じ年でした(しらんがな)。

前半は、いわゆる市場経済ができあがるまでの話、市場や金融の意味、役割などについてのことです。直接的に投資と関連する内容が出てくるわけではありません。

全体にどこかで聞いたことがあるような内容が多く、そんなに新規性があるような中身とは感じられませんでした。特に異論があるようなこともなく、前半までは「そりゃそうね」連発状態です。現在の市場経済をベースとした価値観や発想というのは、当たり前ですが、そうしたものがなかったり役割が低かった時期のそれとは異なるという指摘は、ちょっとハッとさせるものがありました。

後半に入ると話の内容ががらっと変化します。基本的に利益の追求や欲求といったことを原動力とする資本主義経済の矛盾とその解決についてのことがテーマとなり、話は、ある意味必然的に、哲学的な方向へ進んでいったりします。

この資本主義経済に対抗する軸は、著者の主張によれば「民主化」です。一人一票制みたいなことにはちよっとふれられていますが、その民主化の細かい具体的内容や制度までについては本書ではふれられることがありません。

例えば、「情報」についてはどうでしょうか。少なくとも中国のように、インターネットへの接続が制限されたり、特定の語句での検索ができなくなっているような状況は「民主」的とは言い難いです。一見、そうした制限がなく自由に見える日本国内はどうでしょうか。トランプがよく言うフェイクニュースというのはどうでしょう?。選挙制度についてはどうでしょう。何か大きな問題が起こると、いきなり白黒、裏表が全部変わってしまうような小選挙区制の制度をベースにした国会議員の選び方は「民主」は的なのか?。じゃあ比例代表制ならいいのか。今の政党というのは、ほんとに政党と言っていいのか。こうした様々なことについての言及はありません。

例えとしては映画「マトリックス」の描き出す世界や「ブレードランナー」の内容などが持ち出され、なかなか興味深く、一気に読むことができます。

が、将来に向けての細かな著者なりの回答、解答を体系的に示すというよりは、原則は示した上で答えは読者に委ねるようにして終わっています。これは、これでいいとも言えますし、不満だとも言えます。

読みやすいという意味ではなかなかよい書籍でしたし面白かったです。機会があったらよんでみられたらよいかと思います。で、感想でも聞かせていただきたいですね。

 

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