3480ジェイ・エス・ビー(3)課題 知名度 流動性 株主還元

3480ジェイ・エス・ビー(3)課題 知名度 流動性 株主還元

課題

先日の業績及び実質配当倍増告知のIRで株価はやや上昇しましたが、それでも予想PER10倍までにはなりません。

多くの不動産関連の銘柄のPERは10倍以下なので、これでも相応の評価とも言えますが、前述したような「学生マンション」を中心とした事業内容そのものの評価にまで踏み込んでいる株価とも言い難いです。

事業内容は全般に堅調なようですが、株式として考えると以下の課題が顕著かと思います。

すぐに思いつくのは下記の3点

・知名度

・流動性

・株主還元

低い知名度 社名から事業内容まで連想できる人はまれ

ジェイ・エス・ビーって、何の会社?。

あー、カード会社ね。それはJCB。
えっとなんかボクシングの関係、それともボウリング? それはJBC。
化学の会社だった?。それはJSR。

というように、ジェイ・エス・ビーという社名から「学生マンション」運営の企業であることをすぐに連想できる人は、現在はごく稀です。

私自身は、旧の京都学生情報センターというのは、地元ということもあり、名前を聞いたことがありました。また、UniLifeというブランド名の方がまだ知られているかもしれません。

ジェイ・エス・ビーというのはJapan Students Bureau ジャパン・スチューデント・ビューローの略だそうですが、これも、最後のビューローは思い浮かびにくいですね。ここは上場後、短期で東証一部上場を果たしており、それは評価できるのですが、こと知名度ということについてはかなり低いと言わざるを得ません。

株式の流動性

ここは東証一部なのですが、株式の出来高は少ないです。
下記がヤフーファイナンスで見たここのところの出来高ですが、まあ、2,000株前後という日が多く、1,000株以下の出来高しかない日も多いです。

日々の株価の動きはボードに登録してウォッチしていますが、売り気配、買い気配が離れていて、株価がすぐにつかないこともあり、わずか数百株の売り、買いで株価が数%程度動いてしまうこともあります。

そもそも発行株式数は500万株以下で、浮動株比率も15%程度です。これでは、まとまった資金での投資というのはしにくく、機関投資家はもちろん、個人でも抵抗感を覚える場合が少なくないでしょう。

そんなことを言えば、似た業態の8908毎日コムネットでも同じようなものというところもありますが、こちらは発行株式数としては多く、株価は低いので、出来高は多少なりともましではあります。

まあ、とにかく、流動性が乏しいことは顕著であり、ここには問題意識を持って改善をはかってもらう必要があります。

株主還元

ここは先日のIRで配当性向20%というのが初めて明示されました。これまでの例だと実際の配当性向は10%程度に過ぎませんでした。

配当性向20%で85円配当になったとしても、現在の株価での配当利回りは2%強程度にしかならず、これは必ずしも水準として高いということにはなりません。

無論、利益を投資にまわして収益につなげるということもあり、配当性向が高ければいいというものでもありませんが、ここは株主優待の設定もありません。

先に述べたように、ここは証券会社の貸株金利が高く設定されており(配当よりも多い)、これを含めれば、インカムゲインは相応の水準にはなりますが、これは流通する株数が少ないことの反映でもあり、必ずしも喜んでばかりはいられません。

さて、この当たり前の課題にどう対応するのか。

ここの主幹事はどこですか。三菱UFJモルガン・スタンレー証券ですね。主幹事としても、この状況を放置せずに、積極的に会社にはたらきかけて、株式の評価が高まるような対応を早期に行うべきでしょう。

じゃあ、どうする?。

つづく。

 

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