特別支援教育 6 キャラを立てる 環境、教材・教具としての人 

 「キャラを立てる」というのは、キャラクターを設定する、はっきりさせるという意味です。

 これはどういうことかというと、特別支援教育、とりわけ重度の障害のある子どもたちにとっては、
関わる教職員というのは、極めて影響の大きな環境であり、同時に教材であり教具である側面が大きい
ので、そこには意識的にそのキャラクターを意図をもって明確にしておくことが求められるということ
です。

 重度の障害のある子どもたちは視覚障害や聴覚障害があることも多いです。
 そうした子どもたちに届く形で、わかりやすい形で「人」という環境、教材を示したいということです。

 人はそれぞれ個性があります。言葉づかい、声の高い低い、触れ方、抱きかかえ方、顔の表情、着ている
服、まあ、色々あります。

 そうした個性は、一々その内容を意識しなくても自然に子どもらに伝わっているところもあります。

 ですが、よりそうした個性を明確なものにして、子どもの前に示すということは意図的にされてよい。

 例えば、朝の子どもへの声のかけ方。原則として、いつも同じ場所で、同じ言葉を同じトーンで言うように
する。また、子どもの肩をトントンとたたきながら言うようにするとか。

 無理して、いつもと違う自分のスタイルをつくるのはなかなかしんどかったり、その人の性格によって難しか
ったりします。
だから、いつもの自然なやり取りの中で、自然とできることを意識的に強調するような形がやりやすいかなと
思います。

 設定されたクラスの授業の中ではこうしたことは意識されやすい。が、日常の様々な場面の中ではどれだけ
教員の側がこういうことを意識できているか。それは自問してみてもいいのではないかと思います。

 こういうことを繰り返していくと、重度の障害のある子どもらも「わかって」きます。なにが?。あ、いつもの
先生が来た、これから○○がはじまるな。今日もいつもと同じスタートだ、安心だな。言葉としてこう表現で
きなくても、感覚としてはこんな感じでわかってくる。

 例えば、去年の実例。

 おっさんの低い声がちょっと苦手な子どもさんに対して。

 私は朝、あるいはそれ以外の場面でも、この子には「どんどんどーんとやってきた~、おはようさ~ん。」と
いうのを(これは朝ですが)決め言葉にしていつも関わりをはじめるようにしていました。
 別に「どんどんどーん」の言葉そのものには必然性はない。だけど、その言葉を同じトーン、同じ言い方で、
同じ時に繰り返し使っていくということは意味がある。

 他の子に。
 「○○ちゃん たかたった ○○ちゃん おはようさ~ん。」
 この子は男の先生の関わりが好きな子ですぐ笑顔になっていました。

 以前のこと。
 朝、通学で自分のバギーに乗って教室まで来る間。
 「○○○ ○○○○(苗字と名前)でございま~す。」と言いながら、その子が挨拶をしている雰囲気でいろんな人
とすれ違いながら教室まで行って来ました。
 そうすると、軽く「おはよう」と応じてくれる先生もいれば、「しっとるわ~い!」とかつっこんでくれる先生が
いたりする。

 こういうことは、子どもにとっての安定的な日程の設定ということとも関わるのですが、人との関係ということで
は、それを強めることになると思います。

 なにが得意でどんな特徴があるのか、そして、それをどうそのままでなくて子どもに合う形で意図をもって示し
そのことを継続できているのか、それに対して子どもはどう反応しているのか、そういうことを自問しつつ、
教員としての「キャラを立てて」ほしいなと思います。

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