IPOの経済分析: 過小値付けの謎を解く(2) 国民経済的にみたらきわめて弊害の大きい行為?

50ページほど読みました。

本書の結論は

「BB方式下で発生している追加的な過小値付け(異常部分)は、総合証券会社の利益相反誘引によってもたらされており、「正当化されない」過小値付けであることを結論づける・この点はこれまでまったくといっていいほど社会問題にならなかった。しかし、だからといって、このまま放置してよいというわけではない。なぜなら、総合証券会社にとっては合法的で合理的な行動であっても、そして割り当てを受けて余分なプレミアムを手にした投資家にとっては喜ばしい話であっても、国民経済的にみたらきわめて弊害の大きい行為だからである。そこてせ、いまの制度をどう改善すべきかの提言を最後に行う。」(P24)というところにあるようです。

つまり、BB方式になって仮条件や公開価格の決定、また、株式の投資家への裁量配分については、主幹事証券の裁量による部分が非常に大きくなり、価格決定については顧客となる株を配分する機関投資家や個人投資家の方を向きすぎて、わけのわからん新しい企業に投資するというリスクによる割引分以上に公開価格を低く設定しずきていて、それによって、初値騰落率がすごく高くなりがちな傾向があり、この状況は適切ではないというわけ。

うーん、たしかに全体として見ればこの傾向はありそうで、証券会社は新規公開株を有力な営業の「ツール」として用いているという側面はあるでしょう。

さて、この傾向はあるとして、それが「国民経済的にみたらきわめて弊害の大きい行為」とまで言えるのかどうか・・・。

あと、日米のIPOのブックビルディング方式の違いとして、日本は仮条件が示されると、その上限で公開価格が決定されることが多いが、アメリカの場合、需要の調査によって仮条件の上限、下限をそれぞれ超える設定になることがあるということや、日本のBBの需要調査は機関投資家に行い、配分は個人が多くなるのに対して、米国はどちらも機関投資家という点の指摘があり、これはちょっと興味深かったです。

つづく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です