運用25年の中で大事にしてきたこと(7)エンターティンメントとして投資を楽しむ

 

運用25年の中で大事にしてきたこと(7)エンターティンメントとして投資を楽しむ

合理的な投資でいいならそれでいい

投資の目的の第一は「金儲けの手段」です。そのためには、手間暇をかけずに合理的な投資ができればいいという発想はあって当然でしょう。現在、幅広く行われるようになってきているのは、iDeCo、積み立てNISA等の形も含めての、低コストのインデックスファンドによる投資で、これは高コストの銀行や郵便局で売っている投信、あるいは証券会社のファンドラップなどと比較すれば合理的で納得できるものでしょう。経済は成長するという前提で、長い目で見れば勝ちやすい方法でもあろうと思います。

仕事やらなんやらで忙しいし、個別の株式だとかあれこれの金融商品について検討するのは面倒、手間がかかる。だけれど、それなりにリスクをとっての資産形成は行いたい、こういうニーズというのは確実にあると思いますし、金融庁なども長期・分散・積み立てといった方向での投資、資産形成を後押ししているようなところもあります。

だから、資産運用はインデックスファンドの積み立てでよければ、もうそれでいいといえばいいわけです。一度、商品を選択してしまえば、変更する必要性や意味を感じなければ、それはそのまま積み立てていくということで、手間も時間もかかりませんし。半年に一度でも状況をチェックしておけばいいかと思います。

が、以前には書いたように、これは「つまらん」、いや、別に「つまらん」こともないけど「面白くはない」です。いわゆる、これです。

投資を楽しむ トレード系

できたら投資は楽しんで行える方がいいとは思います。エンターティンメントということですね。

で、これは売買そのものが中心となるトレード系の楽しみと、主に個別企業についての理解を深めていくインベストメント系があるかなと思います。別にどちらがいいとか悪いとかいうことはありません。

スキャルピングでも、デイトレでも、スイングでも、比較的短期での「売り買い」か「買い売り」の形でのトレードの経過そのものを楽しむ、これはトレード系。

楽しみということなら、テクニカル指標のあれこれを「研究」してトレードに活用してみるのも好き好きでしたらいいと思います。個人的には「テクニカル分析」とやらは、ほぼ星占いと同様のものだと思っており、嫌いですが。

私自身がしていることであれば、IPO初値買いなんかがこれに該当します。買った瞬間に売るという形で、最短では1秒以下の低リスク低リターンの売買ですが、IPOの初値形成の寄り前から寄り直後あたりのところは、そんなに大したことではないですが、ギャンブル的な意識の沸騰感があります。損切りの売りを徹底すれば、これはトータルではそうリスクは高くはなく、損失が大きくふくらむこともまずありません。

例えば、資金を100万円とかに限定して、判断力には問題がない比較的高齢の方がデイトレードをしたりするのは、楽しみとしてはいいと思います。胴元が抜いていく分が必ずあり、全体としては必ず負ける様々なギャンブルよりは勝てる可能性はよほど高いのではないてかと思います。もちろん、それにはそうなるような取引が必要となりますが。

投資を楽しむ インベストメント系

こちらは主に個別企業についての理解を深め、それを投資に生かすということです。この理解を深める過程そのものが楽しみ、エンターテインメントになるということがあります。

それは四季報、日経新聞、各種投資情報サイトなどを参考にしながら考えるということもあるでしょう。

決算短信、有価証券報告書、各種開示情報、企業ウェブサイトなど、もともとの個々の企業のベースの情報をしっかり見て考えるということもあるでしょう。

IRセミナーに参加したり、サイトからIRに直接問い合わせをしたりする、株主総会や事後の説明会などに参加し不明点を聞いてみるといったこともあります。

現地の工場見学なんかが企画されることもあります。応募してこうしたところに参加するのもよいですね。

あれこれ調べたり、聞いたりする中で、実際にそこで働いていたり、取引があったりする立場ではごく普通で知っていて当然のことでも、部外者は知らないしわからないといったことは非常に多く、その一部が理解できたりすることがあります。少しいろんなことを調べたり接したりするだけでも、新しい知見が開かれるということは多いです。それらは知的興味・関心を広げるということでもあり、そのことが、いきなりではなくても長い目で幅広く見れば確実に投資成果につながっていくことと思います。

例えば

「CMPでもフジミインコーポレーテッドが得意としているのはフロントエンド(front-end-of-line、FEOL)に使われるもの。半導体も多層化される中でバックエンド(back end of line、BEOL)の方か量的には多くなるが、数量は少ないがフロントエンド(front-end-of-line、FEOL)のところのCMPのシェアは50%を超えていて、利益率も高い。」

これはフジミインコーポレーテッドのIR担当者の方から教えてもらったこと。ここの業界の人ならば常識なのかもしれないけれど、株式投資をしていても業界の関わりのない一般人はまずこんなことは知りません。

通常は知ろうともしません(^_^;)、これを聞いたからといって、じゃあもすぐに株式投資の利益につながるかというと、そんなに単純ではないですが、「ほー、そんなことがあるんだ!」という驚きのようなことに遭遇するというのはよくあります。で、私自身はこういうことを結構面白く感じて、楽しめます。私にとっての投資のエンターティンメントの中心は、こうした個々の企業についての理解を深めていくということですね。将来的に包括的なアナリストレポートでも書いてみたいとか思います。が、会計的な基礎知識や理解力がなー・・・(^_^;)。

 

例えば株主優待を極める

これは例えば「株主優待を極める」というようなことでもいいと思います。

どうしたら、どういう優待をなるべく低コストでうまく取得できるか。個々の株主優待の特徴と活用方法。証券会社のサービスの効果的な活用方法など、深めていく分野、内容はかなり多いでしょうし。これは確実に趣味と実益を兼ねた取り組みにはなるかと思います。

個人的にはここ3年ほど、現金ポジジョンの活用的意味でわりとしっかりと優待クロスに取り組むようになってきましたが、徹底度はもうひとつですし、面白み、楽しみとしても、ちょっと底が浅いというか広がりにかけるような感じがしていますが。

 

それぞれの立場で、自分なりの楽しみを見つけて投資活動をすすめていけたらよいと思います。その楽しみ方の幅は非常に広いので、ただ、合理的な積み立て投資をしているだけでは「もったいない」「惜しい」と思います。

 

 

 

 

 

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