特別支援教育 32 節分の鬼 2

特別支援教育 31 節分の鬼 2

 で、鬼がダーッと入ってくるわけですが、節分に鬼にかぎらず、いわゆる「やっつけもの」の場合は、このやっつけられるキャラが入ってくる場面というのは、丁寧にちょっと引っ張りながらしたいところです。

 例えば、暗幕をバーッと閉めて暗くする。しばらく暗い無音の時間があって、で、ピンスポがオン。しばらく、光が動くだけ。
 で、BGMが入って、私は「禿山の一夜」なんかをよく使いましたが、ドアにスポットライト。

 ドアがガタガタ鳴って、で、ダーッと入ってくるみたいな。

 これは、子どもらにはとりあえず最初は「うわっ!なんだ、なんだ!」と思ってほしいわけです。
 で、2回め以降は「きた、きた~」と思ってほしいわけです。気持ちが動くということですね。

 そういうドキドキ感なり期待感の演出があるとよいですが、それはただ、やかましく激しければいいというものではない。やはり「間」、そして繰り返し。

 それから、こういう授業の空間というのは、やはり、同じ教室であっても日常の生活空間とは違う異空間を創り出したいものです。

 が、今回はそんな演出もなく、口で自ら「禿山の一夜」のメロディを口ずさみながら鬼が登場。

 この時の個々の子どもらの反応というのはそれぞれ違います。

 例えば、嬉しそうにニコニコして鬼と握手してくれる子。ビビりまくって、後退りし、必死の表情になっている子。本当はちょっと怖いのだけど、とりあえず平静を装っている子、怖いというよりもやたらと盛り上がって大きな声を出している子、なんともないようでいて、鬼とは目線を合わさずに顔をそむける子、
まあ、ここのところの反応はそれぞれの子どもに応じて色々でしょう。

 さて、ここからが「鬼」の真骨頂というか大事なところです。

 丁寧に考えれた授業であれば、ここのところでの子どもらの反応、それぞれの力などから、具体的なねらいが定まっているはずです。

 そのねらいにそって、ただ教室の中をバタバタと暴れまわるのではなく、個々の子どもに合わせたはたらかかけ方の工夫というのを丁寧にしないといけない。

 今回の場合は、こういうことを吟味している暇もなかったのですが、それなりに個々の子どもらに合わせたはたらきかけ方をしました。

 で、もうひとつ重要なのは最後の終わり方。
 はっきりと「こうしたらやっつけられる。」というのがわかるものがよい。
 例えば、台の上に仁王立ちになっている鬼にボールをぶつけて、鬼が後ろのマットにドーンと倒れたらおしまい、とか。
 今回は適当にしょぼしょぼと教室から退場してしまいましたけど。

 さて、結果的に4回したこの授業、実は、というか当然、初回と4回目では、子どもの見せる表情とか動きが随分違っていました。
 このあたりはなかなか面白かったです。

 つづくよー。

  
 

 

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