私は「株主優待投資家」ではないっ!(資産運用のスタイルのお話)

私は「株主優待投資家」ではないっ!(資産運用のスタイルのお話)

二重の意味

『私は「株主優待投資家」ではないっ!』って、二重の意味で今さらなんやねんっということなると思いますが、12月、6月あたりは優待品がいっぱい届くので、あらためて書いておきます。

二重の意味というのは、

従来から私の見解なりスタンス、コメントを見てくれている方は「またその話かい」ということになると思いますし、

最近の優待到着の記事等だけを見てくれている方は「いっぱい優待とって、なんで優待投資家ではないの?」ということになると思うということです。

「株主優待投資家」とは?

「株主優待投資家」って、こんな用語があるわけではありません。勝手に「株主優待」と「投資家」をくっつけただけです。

この意味は

「株主優待を取得することを主眼として」

「値動きなどのリスクをとって実際に株式を保有したり売買したりする」

人ということです。

優待クロスは投資じゃない

ここ3年ほどは積極的に優待取得のためのクロス取引をはじめるようになりましたので、届く優待品は質、量ともに激増しています。これは「株主優待を取得することを主眼として」はいますが、「値動きなどのリスクをとって」はいません。やらかしのミスで結果的に値動きのリスクをとってしまった形になり損益が出る場合はありますが、これは本来的な意味とは異なる失敗ということなので除外して考えます。

これは、ただ売買手数料や金利のコストと取得できる優待内容を比較して、それが有利であると判断できれば優待を取得しているというだけのことで、そもそも「値動きなどのリスクをとって」売買することを避ける方法です。だから、これは株式市場での売買という形をとってはいますが、「投資」とは関係のない、リスクのわりにはリターンが高い現金運用の一形態ということになります。

逆に言えば、これより有利な現金運用の形があれば優待クロスはやめるということになりますし、なんらかの制度改変等で優待クロス取引が有利な形をとれないようになってもやめるということになります。

現在の資産運用のスタイル

現在の私自身の資産運用のスタイルは

・株式個別銘柄のポートフォリオ運用を中心とした証券投資 IPOの短期売買での運用益の加算

・実家に建築した賃貸住宅D-roomを中心とした不動産投資(不動産投資という意味ではREITはこちらに含めるべき)

・現金

の3つに分けて運用をすすめるということにしています。ザックリ時価評価額でいうと、証券投資6,000万、不動産5,000万、現金3,500万といったところでしょうか。借入金が3,000万ほどありますので、純資産はおよそ1.2億前後というあたりかと思います。もう少しあるかもしれません。

現金部分の運用

で、現金のかなりの部分はD-room建築時の銀行借入金が占めています。どいうことかというと、D-room建築時に、別にキャッシュですべて建築資金をまかなってもよかったのですが、そうすると手元で自由に動かせる現金が少なくなるため、10年間は団体生命保険込みで1%/年という金利で3,500万程度の借り入れを行い、毎月の賃貸収入の3/4程度は借入金の返済を行いつつ、借り入れた資金は、現状では上記の優待クロス取引に活用したり、時宜に応じて資金を動かし、IPOの当選確率を上昇させるために用いたりしています。

IPOの方は、かつては2-3,000万程度を一時的にSBIに動かして、資金枠でのIPO当選を狙うというようなこともしていました。これで多少の効果があったように感じられた時もありましたが、現在は実施していません。今は日興のステージの維持、向上と大和のプラチナステージでのチャンス当選10倍(家族口座も適用)の維持のために資金を回すことが主体です。

なので、逆に言えば、現金運用の部分は支払っている金利分以上のリターンが求められるということになります。より正確に言えば、この支払い金利分は賃貸住宅の家賃収入から経費として差し引くことができますので、税金的にはややメリットがあります。さらに言えば、この借り入れで団体生命保険に加入しているため、これを従来加入していた生保の定期保険の代替と考えて生保の定期保険部分は解約していますので、この分の節約効果というのもあります。

言い換えると、これは現金部分については実際に保有している純資産に対して若干のレバレッジをかけた形での運用をしているということにもなります。

ポートフォリオ運用銘柄からは株主優待主眼銘柄をはずす

で、株式のポートフォリオ運用銘柄からは株主優待取得を主眼的に考えて買ったような銘柄ははずしています。最近だと原田工業などがこれに該当します。株価3桁で100株3,000円クオカードという破格の優待内容となっていますが、こうした部分への着目を中心として投資するのは、やめたということです。別に個々の判断で株主優待を主眼とした銘柄選択を行い実際に資金を投じて保有を継続するというのもありだとは思いますが、私自身はそうしないということです。逆に優待クロスの一般信用で原田工業が取れれば、早期に積極的にクロス対象にします。12月優待で言えば6077N・フィールドなどがこれに近いです。

ポートフォリオの中で時価評価額が100万以上となっているのは現在、REITも含めて下記の10銘柄でした。この中で優待があるのはリログループと東宝だけです。リロの優待はまったく使えていないのでないのと同じ、東宝については優待クロスで株数を追加して優待を活用するという「ハイブリット」型となっています。

2471エスプール

3459サムティ・レジデンシャル投資法人

3480ジェイ・エス・ビー

5384フジミインコーポレーテッド

6594日本電産

6861キーエンス

7203トヨタ自動車

8876リログループ

9434ソフトバンク

9602東宝

保有している中で、多少なりとも優待を意識しているのは配当+優待のインカムゲインの高さと割安感から投資対象としているオリックスと、買い増しすると優待のグレードがアップする債券感覚で保有している信金中金優先出資証券ぐらいです。

方向性と課題

運用全体の方向性と課題ですが、とりあえず現状としては今の形でいいかと思っています。

但し、株式投資の部分は完全に日本株偏重となっていますので、比率としては外国株を増やす方向を意識していきたいということがあります。既に保有しているETFなどでもいいのですが、米国を中心とした先進国の個別銘柄の組み入れあたりも検討、実施したいところではあります。ここは色々考えながらすすめると、また楽しみが広がるかもしれません。

現金運用の部分は、金利が大きく上昇したりするところがあれば、個人向け国債なども含めた債券を組み入れてもいいところです。が、この0金利継続状況では全体にリターンが低すぎるので、今の形をとっている方が相対的にずっとましです。当面、今のスタイルが続くかと思っています。

12月に上場するウェルスナビという企業があります。いわゆるロボ・アドバイザー型で長期・分散・積み立ての投資を「自動」でしてくれるサービスを提供しています。で、このコストが1%/年+組入投信のコストなのです。この1%というのは、私の賃貸住宅ローンの借入金利と同水準です。借り入れの方は手元に資金が残るわけですが、ロボ・アドバイザーの方は資金を取られるだけです。

一見、1%というのは大した比率ではないように思いますが、運用額が増加すれば支払うコストも増加します。5,000万なら年間で50万円もの負担になります。別に運用金額が増えたからといって、運用期間側の手間やコストが大きく増加したりするということはありません。だから、借り入れの対する金利ということで借入額が多くなればそれだけ金利負担が増えるというのはわかるのですが、運用額が増えたらその分運用コストも増加するというのがわからないところがあります。

個人的にはこういうことを考えるのは、一種のエンターティンメントとなっています。自分自身の現在のスタイルは一般的によく示されるアセットアロケーションとは大きく異なったものでしょう。ですが、今の自分自身にはこの形が合っている、適していると思っています。そうした意味も含めて、個人的には今後もウェルスナビのようなサービスを利用することはないでしょう。

 

 

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