生命保険は「入るほど損」?!<新版>

図書館本。

生保業界の人からは嫌がられそうですが、保険のコストに焦点をあてたまともな生保の「すすめ」。

生保は、以前は諸般の事情もあり、定期・終身・年金・こどもなど各種保険に加入していましたが、現在は解約したり満期になったりで、下記に書いたように既に「生命」保険としてはほぼその役割を終了したと思っています。

生保 定期・終身保険 個人的にはほぼ役割を終える

生保は、一般的な保険会社の商品の場合、詳細なコストについてはよくわからないところがありますが(←これ自体が問題)、極めて高コストな商品になっていると思います。

著者はこのコストの部分について繰り返しふれており、生保の加入は必要最低限のものにするのが適当であると述べています。これは納得できるところです。

結婚して子どももいたりすれば、若い時から中年、退職前まではある程度の定期保険はあった方がよいというところはあるかもしれません。それは火災保険や自動車保険と同様に、起こる確率は低いけれどそうなった時には大変なことになるので、その時のための備えということでしょう。

そこをさらにいろいろ広げて各種の特約をつけたり、運用を外貨でしたり、貯蓄性を求めたりとか、あれこれ「肥大化」させるような売り方を生保会社はしてきますが、それは生保の中で対応するのは適切さを欠くところがかなりあると思います。運用であれば、コストが明確で安いそれに適した金融商品がいくらでもあります。

あと、本書ではあまりふれられていませんでしたが、予定利率の問題があります。生保は長期に渡る契約となる場合が多いですが、その運用は契約当初の条件で確定をしてしまいます。つまり、多少は配当金などが入る可能性はあっても、この超低金利下で生保の契約をするということは、この金融環境下での運用を長期に渡り固定化するということになります。

かつて、高利率の時に加入した保険は「お宝保険」、生保会社からすれば「逆ざや」商品と言われたりしましたが、今の状況はネガ・ポジのようにまさにその逆で、長期運用の金融商品の契約をするには最悪のタイミングであるとも考えられます。

保険はやはりその基本的な役割に着目し、買うのであればなるべくシンプルがかつ低コストのものがいいということを改めて確認することができた一冊でした。

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