零の晩夏/岩井俊二

図書館本。やっと順番がまわってきました。

岩井俊二の映画は好きでだいたい見ているのですが、小説は読んだことがなかったように思います。

この作品は絵画を題材としたミステリータッチの内容です。そういう意味では、原田マハの「暗幕のゲルニカ」をちょっと連想させるようなところがありました。「暗幕のゲルニカ」はなかなかヘビー級の傑作だった印象があります。

「零の晩夏」の方ですが、最初は人物描写などがえらく軽いタッチでそういう「軽い」作品なのかと思いきや、話が進んでいくといつもの「岩井作品」になっていく感じでした。

イメージでいえば、映画の「Love Letter」「ラストレター」「リリイシュシュのすべて」を混ぜたような感じ。それじゃあ、わからんわいっ!。

なんだろう、人と人のつながりというか縁みたいなものを浮かび上がらせるのが上手だなぁという感じです。それは、ご都合主義的な物語になりかねないところもありますが・・。ラストが明るいというか、「この二人は今、どうしているのかなー」というような読後感があります。これは「鹿の王」の読後感と似てます。

個人的にはこれを読んであれこれ思い起こすことなどもありました。まあ、そんなにものすごくドラマチックなことがあったわけでもないですが。

それは、穴から引っ張り出して、普通の場所に置いて、「大丈夫、それでいいです」というような作業であり、自分自身もそのことによって救われたり、逃げ場所を確保することができるような意味のある出来事だったりしました。さて、その時、180度逆の判断や行動をしていたり、どうなっていたのか・・。意味がわからんぞー。いや、わからないように書いているんで・・・。

この作品、映像化してほしいような、してほくしないような・・・。なにかがっかりしたりすることもありますので・・。

 

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