エンターテインメントとしての株主総会 7794イーディーピー 事業報告から質疑応答へ

定時に開会。このホテルでは比較的大きな部屋で、出席者は30-40名程度だったでしょうか。

個人的に残念なのは机がないこと。ノートを開いてメモをするためにはやはり机があった方がいいのです。そういう意味では公立ホールの備品長机であってもそれを用意してくれていたキーエンスの方がグッド。また、どう考えてもコスト的にはキーエンスの方が安いです。交通の便利な場所があればこの会場ではなく、広めで低コストの別会場を検討してもよい、検討する方がよいと思います。

スタッフの方は役員以外は受付、事務局団などで15名程度だったでしょうか。

進行は型どおりで、スクリーンには資料も投影されていました。これはなにもなしのキーエンスよりよいです。キーエンスも資料の投影ぐらいはしてほしいですね。

事業説明は基本的には配付資料を読み上げる形のものでした。第14回定時株主総会交付書面です。こちらの下記の質問には事前に伝えていて、先に事前質問についてはコメントしておく形も検討してもらうように依頼していましたが、質問へのコメントは最初はなし。

質問内容は下記。

7794イーディーピーの株主総会質問文案

直近のここの事業の状況はこのリリースの内容が最大の注目点です。赤字はこちらでつけたものです。

2023 年5月 31 日
各 位
会社名 株式会社イーディーピー
代表者名 代表取締役社長 藤森 直治
(コード番号:7794、東証グロース市場)
問い合わせ先 専務取締役 兼 総務部長 髙岸 秀滋
(TEL 06-6170-3871)

輸出貿易管理令の一部を改正する政令の施行による影響について

経済産業省は、経済安全保障強化のため、「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」を制定し、2022年12月6日に施行され、その中に規制対象として半導体基板としての三酸化二ガリウム(Ga203)とダイヤモンドが追加されました。当社は、研究用基板のみならず主力製品の種結晶等についても、改正直後から関係機関や当局とコミュニケーションをとり、改正後の法令に則した対応等について確認をおこなって来ました。現時点ではこれらの取り扱いに関する当局の判断が未到着の状況であるため、2023年4月以降、一時的に製品の海外出荷を保留する対応を行いました。
ユーザーは引き続き当社製品の出荷を待っております。現在進めている当局とのコミュニケーションにより、当局による法令に則した対応が確認でき次第、製品の海外への出荷を再開致します。今後の状況により、当社の2024年3月期第1四半期会計期間及びそれ以降の業績に重要な影響を及ぼす可能性がありますが、詳細が判明次第あらためてお知らせいたします。

つまり、ここの売上のほとんどを占める種結晶について、既に施行されといる政令について3月までは輸出をしているのに4月からは「自主的」に輸出を停止しているわけです。あとの質疑応答でもこの点が最大のポイントになってきます。

報告が終わって質疑応答。

最初はLGD市場の状況について詳しい人などを経営陣に加えてはどうかという質問、意見。

これは資料の対処すへき課題の下記の内容に対応した質問、意見です。

①市場情勢の入手・解析
LGDは基本的には宝飾品市場であり、原料を供給する立場である当社には、全体像が見えにくい状況です。企画担当を充実させ、各種の市場調査や当社ユーザーからの状況聴取を積極的に行い、市場全体を俯瞰できるだけの情報を獲得し、これを社内において解析して、戦略の立案に供する必要があります。
また、半導体デバイス等の新しい市場については、学会等からの情報によって、技術の進捗状況を正確に把握し、当社の技術開発戦略を構築する必要があります。また、技術分野ごとに特許の状況を正確に把握することも重要で、専門の情報提供機関を利用することを含め、検討をしております。

ここが弱いというのはちょっと意外感があります。「原料を供給する立場である当社には、全体像が見えにくい状況」というのもわかりにくいです。むしろ顧客との関係などからリアルタイムに近い状況、情報を獲得できるのではないかと思うのですが、そうではないというかかなり課題があるようです。生産計画、設備投資、価格設定、顧客の選択等々すべての面でここが重要で課題となるのは当然のことで、極めて重要な点でしょう。社長が言うように経営陣に加えるかどうかは別でしょうが、この課題について具体的にどう改善できたのかはまた聞いてみたいところではあります。

次は株主優待について。日本では独特の株主優待の制度が広くあって、ファンも多い。ダイヤモンド原石でも提供してはどうか?。

社長、苦笑しつつのコメントでしたが、原石を提供しても加工が大変と・・・。つまり質問者は原石について意味がわかってないということですね。ダイヤモンドの原石というと、天然物で鉱山から掘り出されたなにか石の中にキラリと光るダイヤモンドが含まれている、そんなものを連想しますが、LGDの場合は全然違いますから。まず種結晶は小さいプレートのようなものでそれを成長させて宝飾用のダイヤモンドの原石にするのですが、それ自体は最初はきれいでもなんでもないもの。

ここから、宝飾用に加工する前の段階でこんなもの。よくてガラスの粒みたいなものです。

個人的にはここは株主優待を云々するような段階にないと思います。するなら、あとで質問もしましたが、若干の現金配当程度でしょう。優待を実施するなら、ここの種結晶が使われていることが明らかなLGDの宝飾用に加工された後のペンダントトップぐらいでしょうが、個人的にはそんなものは全く欲しいとは思わないし(^_^;、こういう優待の検討をするのはここの事業規模や業績が安定的に伸びた後だと思います。

つづく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です