IPO初値買いスキャルピング考 2019.10バージョンアップ

IPO初値買いスキャルピング考 2019.10バージョンアップ

IPO初値買いスキャルピング考 2019.2バージョンアップ

上記に2019.2バージョンを書いていますが、ちょっと改訂します。基本的な趣旨には変化はありません。

ということで、昨年から比較的頻回に参戦するようになったIPO初値買いスキャルピングですが、今年も、あれこれ検討はしてスルーする場合もありますが、いけそうな時はなるべく参戦し、実践しつつ検証していきたいと思います。

「IPO初値買いスキャルピング」とは?

「IPO初値買いスキャルピング」という言葉だけ見ると、なにかこれは難しいテクニックでもいるのかと思う方もあるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。

極めて単純で、単にIPO、新規公開の銘柄を初値で買って、すぐに売却するというだけのことです。

スキャルピングというのは「薄皮を剥ぐ」というような意味で、本来は細かい利幅での売買を繰り返すことによって利益を積み重ねていく投資手法のことを言うようです。ですから、初値で買って即座に売るだけでは、本来的には「スキャルピング」という言い方をあてはめるのは適当ではないかもしれません。

が、利幅が薄く、短時間の売買という意味の共通性はあるので、こういう名前をつけています。

この売買のよさ

この売買のよさは、

・高い勝率

・売買の時間軸が短く、比較的リスクが低い

・自分に適した金額でトレードできる

・単純、シンプルな売買である

というようなこが挙げられます。

以下に去年から今年のIPO銘柄のストックボードが示されています。
https://www.traders.co.jp/ipo_info/stockboard/stockboard.asp

これを見ると、9割程度の銘柄は初値からは多少なりとも上昇しており、初値買いでも利幅が薄ければ利益が取れた可能性が高いです。ここで言う利幅のイメージは1-5%程度です。

だから、私自身の去年の22勝4敗というのは、勝率としては当たり前で、むしろやや低いぐらいということになります。

無論、売買完了後に株価が大きく上昇しても、その値幅の利益は取れなくなりますが、下落の損失も蒙りません。こうした意味では売買の時間軸、スパンを短くすることによって、リスク(価格の変動幅)はかなり低くなっていると言えます。

この売買は、基本的に現物売買であれば対象銘柄の1単位分の資金は必要ですが、それ以上の場合は自分に適したサイズでトレードすることができます。私の場合は100万円程度が、低ストレスで売買できる金額なので、そのようにしています。

この売買の難しさ、課題

・初値形成時にリアルタイムで値動きをウォッチしておく必要がある

・メンタル的に安定した状態で取り組むことが求められる

・損切りの判断、基準が難しい

「リアルタイムで値動きをウォッチしておく必要がある」と書きましたが、あらかじめ、逆指値なども含めて売買注文をセッティングしておく方法も可能かと思います。こうすれば、必ずしもリアルタイムで見ておく必要はありません。後述しますが、楽天のセット注文では逆指値はなくて、利益確定注文の方は利幅(買ったところから+20円など)の指定が可能です。

私自身はリアルタイムで実際の状況をウォッチしながら売買したいです。そのため、それができないような状況の場合は、売買を見送るということになります。

これと同じ方法をとるのであれば、日中、仕事等でザラ場の値動きを見られない場合は、この売買は難しいです。証券会社によっては、IPO銘柄の初日の信用取引で、あらかじめ利益確定と逆指値の両方のセット注文ができるところがあるかもしれませんが、ちゃんと調べられていません。←ご存知でしたら教えてください。

また、初値形成は、ちょっと目を離しているうちにいきなり寄って、そこからの値動きが急というようなこともありえます。ここは注意が必要で、売り買いの株数が近づいてきた場合、余裕をもってウォッチし売買注文が入れられるようにしておくべきです。

実は私はこの売買は高齢者に結構向いているのではないかと思っています。但し、当然のことながら認知症などの傾向はなく通常の判断が相応にすばやく的確にできるという前提でです。高齢者の方は時間的には余裕があるという場合が多く、多少時間的に幅がある初値形成の時にザラ場の値動きをウォッチできる場合が多いと思いますので。

この初値形成からの値動きや売買注文を出すあたりというのは、まあ、結構、脳細胞は活発に活動していると思いますし、実際、ボケ防止にはいいでしょう。この初値形成前後のところというのは、いわば「博打」感覚でのドキドキ感というのがありますし、この感覚というのは悪くないのではないかと思います。

ただ、初値直後の値動きというのは、売り買い入り乱れての乱戦模様になることもあり、短時間でかなりの値幅で株価が上下に動く場合があります。

そのため、あらかじめ売買プランを持ち、損切りも確実に実施するなど、安定したメンタルの状況で取り組まないと、そのバタバタした値動きに惑わされて、わけのわからん注文をしたり(売り買い逆とか)、下落したポジジョンを放置して損失が拡大してしまったりすることになりかねません。ここらは留意が必要です。

とりわけ、思惑がはずれて、いきなり株価が下落に転じた場合、どう判断するかというのは難しいところです。

というのは、初値がついた直後は、様子見の株主からの売りに押されて株価がやや下落するということは普通にあり、ここを経過した後に株価が上昇するというパターンが多い一方、単純にそこからさらにズルズルと株価が下落し、いわば「壁」になってしまった初値水準を超えられないという場合もあるからです。

この判断はなかなか難しく、すべてのIPO銘柄について参戦するのではなく、当初から不人気が想定される銘柄への参戦は見送るなど、一定の参戦判断基準をもった上で参加するのもよいと思います。逆に言えば、当初のところは不人気で公開価格割れが想定され実際にそうなったとしても、初値買いスキャルピングの場合は、初値から上昇しさえすれば売買対象として利益を得ることができる場合もあるということにもなります。

いい「負け方」をすることが決定的に重要

この売買は勝率は高くはなりますが、すべての売買で利益を挙げることは無理です。

であれば、いい「負け方」をすることが決定的に重要となります。10勝1敗でも、その負けの大敗で10勝の利益をすべて吐き出すようでは意味がないですから。

買った場合の勝ち方と負けた場合の負け方を総計して、全体として利益が考えていたように出ればそれでいいわけで、あまり個々の売買の勝ち負けを云々するのではなく、その勝ち負けの金額と全体としての勝率というのを勘案して取引をすることが肝要です。

売買の工夫、発展型

最近は1単元ではなく、複数単元、10単元などで参戦する場合がありますが、その時に、一部をスキャルピングで利益を確定し、一部は残して、トレーリングストップに移行するなど、売買の工夫を考えたいところです。これは実際にはできていません。全株で即座に利益を確定してしまっています。あらかじめラダー状に注文を出し、値動きを利用して利益を伸ばすようなことが可能な場合もあるかもしれません。

また、銘柄の人気度や独自性、需給状況(売りが出やすい銘柄かどうか)なども勘案しながら、参加の可否についてのルールを確立する、損切りの値幅等についての検討など、さらによい形にしていくことも課題です。

楽天の1日信用でのセット注文を利用

この売買は、現在は楽天証券の信用取引でのセット注文を利用することが多いです。

この形は初値形成が翌日に持ち越しになる銘柄の場合、信用取引の規制が入りますので、現物取引になってしまいます。

感覚的な得手不得手でいうと、いきなり初値が公開価格の倍以上などにぶっとんでくるような銘柄はどうも苦手です。

楽天のセット注文でよい点は、最初からセットで信用決済の注文を出しておけるところです。それも指値ではなくて値幅で注文を出せるところがよいです。

下記は楽天の信用取引の注文画面ですが、下の方の赤線で囲ったところがセットでの値幅注文の部分です。

値幅注文の解説は下記。

なぜこれがいいかというと、初値で買えてから、いちいち手動で利益確定の注文を出していたのでは、タイミング的に遅すぎて利食い、利益確定ができず、初値からわずかに株価が上昇してその後すぐに下落に転じてしまうような場合に利益を取り逃がすようなことがあるからです。

値幅であらかじめ注文を出しておければ、買えた瞬間に指値での売り注文が入ることになりますから、このリスクは避けられます。

初値形成直後というのは、成売を含む「どうしても売りたい」売り勢力がとりあえずは一掃されます。ここからは、様子見をしていた、できれば少し高く売りたい、あるいは初値水準を見極めてから判断したい公募組に加えて、初値で買った初値特攻組が売り勢力になることになります。

が、この勢力は、初値形成直後の数秒で即座に売り注文を出すというのは、まあ、まれでしょう。となると、この瞬間は買い勢力が優勢になり、株価は傾向としては上昇しやすくなる真空地帯とも言えます。あらかじめセット注文をしておけば、ここをとらえやすくなるとも考えられます。

ただ、値幅注文は、ごく短い時間の場合、その株価に到達していても、成行の売買や注文時間などの関係で、約定しない場合もあるので、そこは留意が必要です。

また、現在は逆指値の注文はできないので、損切りの場合は手動で注文を入れないといけません。ここ、逆指値の注文もあらかじめ入れておくことはできないこともないように思うので、要望しておきましょうか。

この最後の楽天証券の部分は今回、書き足しました。この内容は、また、実践をすすめつつ、改訂していきます。

 

IPO初値買いスキャルピング考 2019.10バージョンアップ” に対して2件のコメントがあります。

  1. 桃ひろ より:

    伏見の光さんに教えてもらってセット注文は助かっています^_^
    唯、セット注文での値幅取りですが、複数単位でやる場合は、IPO以外は無理ですね。
    これは板の厚さが全然違う為です。
    分売でも少しやってみましたが複数単位注文を入れると気配が動いてしまいそうでした。
    セット注文の買いと売りを同時に入れたらどうかと思い、トヨタでシュミレーションしてみましたが、年間通してやったとして計算したら大負けとなりました。
    勝つ時はコツコツなのですが、負ける時は大きくという恐ろしき結果となりました

  2. 伏見の 光 より:

    桃ひろさんにように、少し値幅を大きめに入れておいても取れる場合もわりとあると思います。
    その方が効率がいいかもしれません。このあたりをどうセットするのかいいか判断するというのが肝かもしれません。

    が、小幅に上昇はするけれど、その後に下落し、しばらくは戻ってこない銘柄もあります。

    となると、利食いの値幅には達せずに、放置しておくと評価損がかさむことになる可能性もあります。

    まあ、いずれにしろ負ける可能性は常にあるわけで、勝つ時よりは負けの方が大きめになったとしても、勝率でカバーしトータルではプラスになるようにコントロールするというのが重要かと思います。

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