『株主優待銘柄』に『投資』するな!(2)

『株主優待銘柄』に『投資』するな!(2)

 

株主優待銘柄のリスク ファンダメンタルズ軽視 3197すかいらーくの優待内容と利回り

実際に資金を投じる場合、優待を主目的、あるいは重視すると、傾向としては、その銘柄のファンダメンタルズ、事業内容や業績、収益性や成長性等を軽視することになりがちです。

例えば代表的な優待銘柄3197すかいらーく。優待内容は下記です。

株主様ご優待カード
100株以上 <6月末> 3,000円分   <12月末> 3,000円分
300株以上 <6月末> 9,000円分   <12月末>11,000円分
500株以上 <6月末>15,000円分   <12月末>18,000円分
1,000株以上 <6月末>33,000円分   <12月末>36,000円分

2020/5.22の株価終値は1,660円。優待カードは店舗で実際に利用するならば現金同様に利用が可能です。1,000株保有で年間と考えれば6.9万円分の優待カード。これだけで利回りは4%を超えます。優待価値としては出色のものでしょう。

個人的にも、ここ3-4年ほど、優待クロスで優待を取得しています。但し、原則として優待券、優待カードはオークション等で売却しており、金額は優待カード額面からはかなり目減りしています。

株主優待銘柄のリスク ファンダメンタルズ軽視 業績と株価下落リスク

で、直近の業績はどうかというと

「21日発表した2020年1~3月期の連結決算(国際会計基準)では、純利益が前年同期比91%減の2億4800万円と大幅減益だった。新型コロナウイルス感染症対策のため、営業時間の短縮を実施したことなどが響いた。20年12月期通期の業績予想を未定としたほか、1~6月期の配当(中間配当)も従来予想の9円からゼロにし、手元資金の確保を優先するという。業績の不透明感と株主還元の後退を嫌気した売りが膨らんだ。」(日経)という状況です。

目先的に厳しい企業というのはここに限ったことではないでしょうが、すかいらーくの場合は、そもそもここのところトップラインも利益も伸びているとはいえない状況です。

5年の株価チャート。ボックス圏的で、逆にいえばさっぱりというか、さしてというか、株価は上昇していません。

6ヶ月のチャート。

急落後にやや戻していますが、戻りは鈍いです。

売上は伸びず、利益は減少。事業内容は外食産業で常にレッドオーシャン状態。さして独自性も感じられず、同業のロイヤルホールディングスはかなりの閉店があるようです。

個人的にはここを中長期の対象としようとは思いません。

ファンダメンタルズ的に魅力がある銘柄に優待もついているような場合はよいのですが、そもそもファンダメンタルズ的に魅力が乏しい銘柄の場合、優待内容以上に株価下落で損失を被る可能性があります。

最悪、目先的には無配になったとしても、別にすぐ使う必要があったり現金化する必要があったりする資金では投資していないので、優待のみ維持してくれればそれでいいという発想もあるでしょう。

かつて、私自身、この発想で保有していた地元の回転寿司の会社は、株価4桁から唐突に破綻して、下記の結果です。↓

投資スタンスは人それぞれで、別に優待取得を主目的として実際に資金を投じてその銘柄を買うのは自由です。

ですが、個人的には実際に資金を投じるのは原則としてファンダメンタルズ的に相応の魅力を感じる銘柄に限定しようと思っています。

株価下落リスクはどの銘柄でも同様にありますが、優待が充実している銘柄はその分、その評価が上乗せされた株価となっている場合があり、その場合は株価下落リスクはさらに大きいという捉え方もできます。これは次に書く優待改悪、廃止リスクということとも関係します。

『株主優待銘柄』に『投資』するな!(1)

つづく。

 

 

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