ガラパゴス/相場英雄

図書館本。上下巻を読破しました。これは一気に読めてしまいました。

ある身元不明の死体の出自を明らかにするところからはじまる、現代日本の物語です。

本書を読んで思い出したのは、古典的ルポルタージュの傑作、鎌田慧の「自動車絶望工場」でした。それはチャップリンの「モダンタイムス」にも連なります。

人間性を蝕まれるような、あまりにもひどい労働現場の実態というのを私自身は知りません。どちらかというと、私自身が経験してきたことは外的な条件の厳しさというよりも、自分自身の内側の問題と連なるような厳しさであったように思います。実際のところはそんなことを考えることもできない実態、状況というのが現実に存在している、そんなことを考えさせられた話でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です