有望かも銘柄 PF分(4)3480ジェイ・エス・ビー 事業の堅調さと上場株式としての課題 2

有望かも銘柄 PF分(4)3480ジェイ・エス・ビー 事業の堅調さと上場株式としての課題2

PERは11倍程度。配当利回りは0.91%。株主優待はなく、インカムゲインはしょぼいです。株主還元の方針は配当+自社株買いで総還元性向20%です。

株価は2020.11下旬に少し上昇しましたが、以後の動きは鈍いです。こちら。

もう少し評価が高まってもいいように思いますが、上場株式としては以下のような課題があると思います。

知名度が低い

学生マンション関係の業界としてはトップ企業であり、上場後2部から1部に市場変更もしています。学生さんは物件管理のUniLifeを知っている人は多いかもしれません。
が、例えば個人投資家で「ジェイ・エス・ビー」と言ってすぐにここのことがわかる人はごくまれです。連想するのは、JCBかJTB、株にちょっとと詳しくてもJSRというあたりかと思います。
個人向けのIRセミナーも実施していますが、ここらは様々な工夫もしつつ、地道にIRの取り組みをすすめていってもらうしかありません。

流動性が低い

発行済株式数は1,000万株弱ですが、そもそも浮動株比率が7%程度しかありません。

ここのところ、出来高は1万株前後のことが多いです。これは東証二部の銘柄の感じに近いです。
東証の市場区分変更では、プレミアムに残ることはできず、スタンダードということになるのでしょう。

株主構成を見ると、急死された以前の社長さんとの関係で筆頭株主の持株比率が40%近いです。一部、投資信託の組み入れなどもあります。

株主分割などもされていますが、依然として流動性の向上は課題でしょう。現状で東証が示す1単元50万円未満にはなっていますが、ここからさらに1:2程度の株式分割はあってもよいかと思います。

また、役員に残られている筆頭株主からの株式放出等も考えられていいかと思います。

株主還元

総還元性向20%は還元の水準としては高いとは言えません。

業績は安定的であり、自社物件取得等に資金を用いるにしても、別に配当にこだわらず自社株買いでもよいとは思いますが、この比率は高めていく方向ですすめていくべぎでしょう。

なお、上記の流動性の低さとの兼ね合いもあって、ここはネット証券の楽天とかSBIでは2%の貸株金利がわりと長く続いています。結果としてこれを加えればインカムゲインはそこそこですが、望ましい状況ではありません。

株主優待

1単位で現金配当を上回るようなクオカードを出すような「やりすぎ」優待が望ましいとは言えません、というか、適切さに欠けると思います。ここが株主優待を実施するのであれば、事業内容を生かした独自性のあるものを工夫するのがよいでしょう。

それは、例えば
・京都が本社であること
・学生、大学と関係が深い事業であること
などの特徴を生かしたものを工夫するなどです。

長期に株主になってほしいのであれば、優待にも最初はともかく2回めからは長期限定の優待にする方法もあります。

はやっているから実施するのではなく、一般には知名度が低いこの企業にとってはそれを向上させるためのIRの取り組みひとつという意味も含めて、うまく株主優待を「利用」するように視点をもって検討してほしいものです。

上記のような上場株式としての課題が解消されるような方向に進めば、必然的に株式の評価も高まり、株価も上昇する可能性は高いと思います。

また、株主総会でもあれこれつっこんでみましょうか。

株式投資は事業そのもののポテンシャルが十分に理解されていない、あるいは現状として様々な課題がある、あるいは知名度が低い等々で評価が高まっていないが、それが変化する可能性があるところに着目するという方法はあると思います。すでに「いい」ことがわかっているところは、株価もそれに対応したものになっているはずですから。ここは現状では株式としては「現状として様々な課題がある」ところに該当すると見ています。早急な改善を期待したいです。

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