IRセミナー9686東洋テック 機械警備は儲かる

東証二部の警備関係を中心とした会社。ここは話を聞かせてもらうのははじめてです。実直な印象のある社長さんでした。

ヤフーファイナンスはこちら。予想PER19.2倍、PBR0.48倍。配当利回り3%強というあたりです。株式時価総額は110億程度。

以下、金曜日配布資料から。

ここのセグメント別の資料を見ると、2020.3と2021.3の比較で、主力の警備事業は売上高はほぼ前年と変わらないのに対して、利益は45%も減少しています。一方、ビル管理事業はM&Aの関係での売上高増もあり、利益が倍加して、ほぼ警備事業と並ぶ形になっています。

なぜ売上が変わらないのに、利益が半減近くまで減っているのか聞いたのですが、つまりは効率のよい(儲かりやすい)機械警備の部分が伸びずに、それ以外のところが伸びたということだそうで、製造業でいうところのプロダクトミックスの変化というようなことのようでした。

機械警備は、当初の警備のためのカメラとかセンサーとかそうしたものの設置等ができれば、あとはネットワークでの管理が基本になるでしょうから、追加の人件費とかの管理コストが多くかかるわけではなく、契約が増加すればそれだけストック的に高効率で利益が蓄積される可能性があるということなんでしょう。これはある意味、クラウドでのソフトウェア提供が利益につながりやすいのと似ているところもあります。

業績としては今回上乗せがあったように、ビル管理などについてはM&Aなどでのさらなる上積みの可能性はありそうです。あと、前述した効率的な利益につながる売上増があれば、全体の利益もさらに回復しそうですが、さて、その目処はどうなのでしょう。全体として見ると、バリュー株として一定の評価は可能でしょうが、事業内容やその成長性について、積極的に高い評価することは難しそうです。

会場から株主優待設定の希望の質問、意見なども出ていましたが、なにかひきつける魅力のようなものがないと、堅実だが地味という印象のままになってしまいそうです。100株からの優待設定が煩雑で困難、コスト高ということなら、もうちょっと多い株数からの設定でもよいかもしれません、対費用効果など主幹事証券とちょっと相談でもしてみたらどうかと思います。

あと、ここはセコムとか関西電力が大株主です。下位の方ですがセントラル警備保障も株主になってますね。セコムなどの大手はやはり機械警備が中心ということもあってか、こことは利益率が全然違います。逆に言えば、ここがかなり低いとも言えます。あえてここを買うなら、大手のセコムなりアルソックなりの方がよいという判断もありそうです。

まあ、そこそこ堅実なバリュー系とも見ることはできますが、現状では、☆☆☆☆☆満点で☆☆★以上には評価しづらく、直接すぐにPFの組み入れ候補にはなりにくいです。

興味があるのは機械警備のところが現在どれだけ進歩しているのかというあたりです。これはここ単体で開発してどうこうというよりもセコムさんなんかの領域かと思いますが、多分、最新の機械警備は様々なAIの知見とかカメラの進歩とかネットワークの高速化とか、いろんなことが関わって、随分進んでいるんでしょうね。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です