IRセミナー 7325アイリックコーポレーション 客観的アドバイスにはなりえない

昨日のIRセミナーの2社めは7325アイリックコーポレーションでした。ここの話を聞くのは初めてです。

ヤフーファイナンスはこちら。株価は4月の高値から2割ほど下落した水準です。

つまりはここは来店型保険ショップがベースです。こちらにそのランキングが載っていますが、ここが展開しているのは「保険クリニック」ですから、ランキングはトップになっています。

ただ、それだけではないユニークさもあります。これは後述。

生保は1社の生保のおばちゃんに、地縁、血縁なども含めて、内容もよくわからないまま契約を迫られるようにケースが今でもあるようです。若い人は契約の主要なターゲットでしょうから、新入社員さんが知人、友人のとろこを回って契約を取るというケースも多いでしょう。

それと比較すれば、こうした来店型ショップで各社の保険内容を比較しながらその情報をもとに保険について考えられる機会があるというのは、相対的に悪くもなく、有用な場合もあるでしょう。

しかし、こうした来店型ショップは契約に至った場合に各保険会社から得られるマージン、協力金が利益の主たる源泉ですから、そこで得られる「アドバイス」は客観的なものにはなりえず、原則として必ず保険契約につなげようとするベクトルがはたらきます。別にこのこ自体が「悪い」ことではありません。ただ、こうした来店型ショップは基本的には、保険契約を取りたいという意味では「生保のおばちゃん」と同質、同方向のベクトルがあるということになります。これは証券会社の営業くんが、結局のところ、投信なりファンドラップなり仕組債なりの「販売員」でしかない場合があるのと似ています。

今回、残念ながら、こうした点とかかわってのコンプライアンス、フィデューシャリー・デューティー等についての話はプレゼンの中では全くありませんでした。ここは企業としての本質に関わる基本的なポイントのように思うのですが・・・。どうも質問してもここについてのガチッリとした回答があったようにも思えませんでした。

これに対して、保険会社からのこうしたインセンティブ等がない独立系のFP等であれば、過剰な保障等は不要と切り捨て、こくみん共済等のリーズナブルでシンプルな保険なども含めて紹介したり、あるいは現状では保険契約の必要性が薄いので再考を促すといったアドバイスも躊躇なくすることができます。また、保険を運用面で活用することの不適切さなどの指摘も可能でしょう。

生保自体の意味とか重要性はそれなりにわかりますが、顧客として負担するコストの内容がさっぱり見えてこない生命保険という金融商品は、どうにも不明朗さがぬけきらず、なにか霧の中にいるようなところがあります。

逆に言えば、だからこそ、こうした来店型ショップというのが成立する余地というのがあるとも言えます。私自身は相対的に低コストだと思われる、ライフネット生命などのネット保険が一気に伸びていくのだろうと思っていましたが、どうもそこまで大きな伸びでもないようです。それはやはり生命保険という商品の「わかりにくさ」に由来しているのかと思います。

企業としてここはこの窓口での保険契約の部分からの収入が大きいのですが、それ以外に、自社開発の保険分析・検索システムや保険の契約書を読み込んで解析できるOCRソフトを活用したビジネスも展開していて、この点はユニークさがあります。

ただ、ベースのビジネスモデルのところでどうにも引っかかり感が解消できず、そうしたところをインベストメントの対象にしようとは思いません。

なお、事後にちょっと話をした中で、ここは社員の給与体系は固定給で歩合制ではないこと、歩合を求めるような社員は辞めることがあること、「かんぽ」はひどい事例がありかんぽから来る社員もあること、以前は保険会社からの協力金がボーナス的に非常に多いような場合があり金融庁から指摘もあって是正されてきている面もあることなどを言われていました。それでも私自身の感覚は変わらないですが。あ、ジェットストリームの社名入りのボールペンをいただきました。ありがとうございました。

ということで、投資対象としての評価は5段階で☆☆。スルーということになります。

なお、今回の2社のプレゼンで質問をしたのは私一人でした。時間の関係もあるのでしょうが、司会者が「質問はお一人で」といきなり限定してかかるのも疑問でした。平日の午後ということもありお客さんは高齢の方が多く、60歳なりたての私など聴衆の中では「最若手」の方だったと思われます^^;。それから、まあ、午後の時間だし、暑い中来場されてのおつかれというのもあるのでしょうが、相変わらず寝てる人も・・・。

IRセミナーはやはりあらかじめ質問時間も相応に設定した余裕をもった形にしてほしいものです。

IRセミナー 7325アイリックコーポレーション 客観的アドバイスにはなりえない” に対して2件のコメントがあります。

  1. はる より:

    ここは固定給なんですね!
    保険業では珍しい形ですね!
    それなりにストック分があるのでしょうね^ – ^

    保険業は難しいですね!
    私もネット系が伸びると思ってましたが、
    携帯電話と同じで、ネット活用できないゾーンは対人ですよね!

    ただ、今後対人系はますます減っていくとは思いますが、人口減少に対しての比率でみたら、どうなんでしょうね!

    こういった記事はとても参考になります。
    ここの株は買いたくないですね!

  2. 伏見の 光 より:

    こうした比較ショップの需要はあると思いますし、それ以外のソフトウェア等のセグメントがあるのは企業としては面白いところはあるかと思います。

    が、結局、コンプライアンス的に問題とはされない範囲で、どう来たお客に保険を買わすかに依存しているビジネスモデルがベースなので、個人的にはここは買いません。

    固定給の話なんかは当初の全体のプレゼンの中てせは全く出てきていません。
    事後、直接、あれこれ聞きに行った中で、こちらからの質問の返答ではなく社長の方からコメントしてくれたことです。

    全体の場での質問もですが、事後にも直接あれこれ聞きにいける状態であれば、それもしておいた方が面白い話が聞けたりすることもあります。

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