3804(株)システム ディ 株主総会 (3)資料等の工夫やIR戦略としての株主優待制度の活用

ここの事業内容は、大学とか地方公共団体、企業等へのソフトウェアの販売とそのサポート等ということになりますから、直接、一般消費者向けに販売する製品やサービスがあるわけではありません。ここの製品やサービスを直接目にするような機会というのはほとんどなく、それゆえ事業内容等を具体的にイメージし理解するのは一般の人には難しいところもあるでしょう。

ここは個人向けのIRセミナーなどには継続的に取り組まれており、私自身もこうした機会によってここを投資対象の一つに加えているわけです。こうした取り組みは即座に具体的な目に見える成果にはつながりにくいかと思いますが、ぜひ継続してほしいものだと思います。

同時に、どうせするのだったら、プレゼンの方法一つにしても、さらにもっと工夫すればよいと思います。資料も株主総会後の説明会の資料を流用するのではなく、多くの部分はそれでもよいかと思いますが、よりなじみのない一般の人、それも高齢の人にも理解してもらいやすい工夫があるとよいかと思います。例えば「クラウド」ということの内容や意味ひとつとっても、これはスッと理解してもらいづらいところもなおあるでしょうしね。

ここの事業内容であえてイメージしやすい部分を探せば、例えばフィットネスクラブのソフト。一般の人が会員になっているフィットネスクラブ、会員証をかざして施設に入れば、その時点でソフトの方に記録がされ、退出時も同様。そうした会員の動向の管理システムのようなもの、こうしたデータが全社的に集約されれば、それは経営の様々な面の基礎データになります。

学校のソフトはどうでしょうか。学校の先生の仕事は子どもたちの授業やクラブ活動など。それはそうなのですが、周辺の事務仕事というのも膨大になり、これらを効率化することは「はたらき方改革」にもつながるものです。例えば、こういったところでビジュアル化された資料なども示しつつ、理解を深めてもらえるような工夫をすることはできそうです。

以前、IRセミナーがあったときに「株主優待の設定はどうですか」と聞いたことがあったと思います。他の方が聞いたのかもしれません。その時に回答は「ソフトウェアの方を株主優待として差し上げる訳にもいきませんので・・」といったことを言われていた記憶があります。

これは実際そのとおりですが、逆にだから株主優待をするという理由にもなりましょう。個人的にはポートフォリオの中で中長期の投資対象としている銘柄については株主優待についてはほほどうでもよいと思っています。オムロンとか扶桑化学工業なんかは優待を廃止していますが、業績、配当で報いてくれればそれで十分です。システムディについても同様ですが、ここはなかな一般の個人投資家には理解されにくい面があると思うのです。

そこで、以下のような原則、狙いに即して、IR戦略の一つとしての意味も重視して株主優待の設定を考えてもいいのではないかと思います。

・株主還元は配当で行うことを最重要視し、株主優待を設定するとしても、その価値は現金配当を上回るようなことがないようにする。

・一般的なクオカード配布のような優待ではなく、企業およびその事業内容の理解をより深めてもらう契機となるように優待内容を工夫する。

・中長期に株主となってくれる契機となるような優待とする。

株主構成として、ここは会社関係者や機関投資家、近年はここに外国人投資家での大株主が増加しているかと思います。で、その周辺に株主総会に参加してくれるような相応に事業内容に理解がある純投資を考えている個人。

さらに株主優待を設定すると、その内容にもよりますが、地道なIRセミナーとかではなかなか得られないような多くの個人投資家が株主になってくれることが期待されます。但し、こうした一番外側の個人投資家はすぐに離れやすい投資家ということでもあります。それをだんだん「理解がある」投資家の方に引き込んでいく、育てていく、そうした方向性や意識をもって、その一つの契機とするようなことで株主優待の設定を考えてもいいのかなと思います。

内容は、提供するソフトウェアのジャンルに即した、なんらかのグッズ。たとえばフィットネス関連のものとか文具とか。またせっかく京都に本社がある企業ですので京都にちなんだ何か、そうした豪華ではないけどちょっと面白くて有用なオリジナルの優待カタログのようなものがあり、株数や保有年数により内容な選択できる数がかわるようなものもよいですね。こうした施策は、相応に株主増加や株価上昇が期待できるものがあり、それを見越せば外国人投資家も含めた大株主からも導入に理解は得られるのではないかと思います。

てなことを考えながら会場を出て三条通の方に向かいました。これは京都文化博物館↓。

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