IRセミナー 4187大阪有機化学工業 特殊アクリル酸エステルを極める 評価☆☆☆

IRセミナー 4187大阪有機化学工業 特殊アクリル酸エステルを極める 評価☆☆☆

4187大阪有機化学工業

ここは過去、多分複数回、話を聞かせてもらっていると思います。繰り返しIRセミナーを実施してくれるのは好印象です。

資料の方はこちらに掲載されています。

長期のチャートはこのようになっていて、ここのところは4000円台半ばから2000円前後まで株価は下落しています。

予想PERは11倍程度で配当利回りは2%後半といった水準です。業績は2022.11からは伸び悩み、停滞といったところですが、逆に言えば安定して利益は出しています。それでいて高値から半値以下に下落しているのはなぜでしょうか。

ここで注目されるのはなんといっても半導体のレジスト用の原料です。ArFレジスト用モノマーでは世界で圧倒的シェア(70%以上)があり、まあ、ここになにかあれば世界の半導体製造に影響が及ぶような企業ということになります。

事業ポートフォリオとしては3分野あり、自動車用塗料原料や直接ものに印刷できるUVインクジェット用原料などがある化成品、半導体フォトレジスト用や液晶表示用の材料の電子材料、化粧品原料などの機能化学品事業の3分野がありますが、電子材料のところが売上高でも他の分野の1.5倍前後ある上に2022年のところで見れば営業利益率が25%近くで、ここ5年でもほとんどの年で20%以上と突出して高くなっています。

 

つまりはよくも悪くも、半導体製造関連としてとらえられる側面が強く、株価推移もこの面でもっと伸びるかと思ったけど、そうでもないのかという成長期待がやや剥落したことの反映のようにも見受けられます。期待感が高いのは最先端のもっとも微細なEUV用途の原料で、比率、金額とも具体的な細かいところまではわかりませんが、大きく伸びてはいるようです。

なお、ここは主力工場が石川県の白山市にあります。金沢市ではなく白山市にあるのですが、なぜか名称は金沢工場です。海沿いを一直線に走る高速道路の北陸道、その陸側に小松マテーレなどいくつか大きな工場がありますが、そのうちのひとつが大阪有機化学工業の工場です。ここに半導体製造関連の新しい製造設備を40億程度かけてつくっており、来期の業績予想はこれと関わっての減価償却費が利益をやや圧迫して減益予想となっています。

個人的にはこうした特定の材料や分野をつきつめて事業を展開しているものづくり系の企業にひかれるところがあります。例えばジルコニウムの第一稀元素化学工業、シリカや果実酸の扶桑化学工業、研磨剤のフジミインコーポレーテッド、高額薄膜装置のオプトランなどが該当します。ここもそうした中の一つとして投資対象に加えてみたいような気もします。実際、2019年には細かく売買して微益を得ています。

評価は5段階で☆☆☆の3。これは低いということでもなく、株価がこの水準であれば投資対象として検討してもよいという感じです。

 

 

 

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