はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版

図書館本。

既に同趣旨の書籍を出版している著者の最新版。

投資入門本として極めてわかりやすく具体的。少額からの積立投資で投資に慣れることを重視しているのにも納得感あり。

但し、リスク要因の記述が弱い印象あり。

P19「通常は6-7%程度の利回りを得ることができます。」との記述がありますが、それはこれまでの経過をならしてみればという話で、インデックスファンドであれ株式に投資する投資信託であれば、年間で10-20%程度の下落は別にそんなに珍しいことではなく、短期で極端に大きな下落に見舞われることがあります。そうした時は時価評価の損益は大きく悪化することになり、投資する側はメンタル的にも厳しい状況になることがあります。この場合、単に売らずに安い時に買えたと思っておくのがよいといったことだけでなく、どのように考え対処するのがよいのか、丁寧な記述があった方がよい。

P20「お金とうまくつきあえるようになると、自分が思い描く理想の生き方、人生を実現しやすくなる。」

うーん、わかるがやや言い過ぎの感あり。実感としては人生における選択肢が増え、メンタル的に大きな不安感なく落ち着いて過ごすことができるようになる、という感じです。

p240「投資に慣れても、「個別株式」に手を出すのはNG」

ここは見解がまったく逆。むしろ、最初のところで、投資の中心はインデックスファンドの積み立てにするにしても、学習のきっかけの意味でとりあえず少額でもいいので個別銘柄を買ってみることを個人的にはすすめます。

今だったら、日本株なら、今なら9432日本電信電話100株。これなら2万円以下。米国株ならアップルかAmazonか。1株なら2.5万円ぐらいでしょうか。市場全体と連動するインデックスファンドよりも個別銘柄を持っていた方が様々な興味・感心が広がり、学習の機会になります。そこからさらに個別銘柄への投資を広げるかインデックスファンド積み立てを基本に継続するかはそれぞれが考えればいいこと。ちょっと個別株投資へのネガティブな意識というのが強すぎる感じがします。

もちろん、最初から多額の資金を個別株投資に投入するとか、人気株を追いかける、とびつくような売買は戒めるべきというのは一般論としてはそうだと思いますが、著者の3000円と同様の視点でNTTに2万円というのはスタートとしては悪くないと思います(かつてはキユーピーとか三菱UFJフィナンシャル・グループとかオリックスをすすめていましたが、今は株価が上昇したり優待廃止があったりですすめにくくなりました)。

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