7936アシックス IR説明会/株式投資アカデミー@大阪
昨日の楽天証券のアカデミーの中で昼の時間帯を活用して30分程度の時間で7936アシックスのIR説明会がありました。
個人的にはメインの楽天証券が提供していたプログラムよりは個別企業のIRセミナーの方が興味があります。
今回のアシックスのプレゼンは、
・全体の中ではIRセミナーがメインの企画ではなく、昼食時間帯の企画
・時間が30分と短い
・質疑応答もない
という条件の中でのもの。
なので、一般的な1時間枠のIRセミナーとは異なります。
まず、よいのは、こうした証券会社の企画の中で説明会の企画に取り組んだ姿勢。個人向けのIRの取り組みとしてこうしたイベントの場を活用するのは悪くありません。リアルの会場での参加者も軽く500人以上はいたでしょうし。
また、話っぱなしで終了ではなく、会場外のフロアに商品も展示し、IR担当の社員さんが質問などへの対応もしてくれる形をとっていたのもよいです。
但し、改善点というか疑問などもあれこれ。
・プレゼンの内容がよく言えば「真面目」、悪く言えば面白みがなく、一般的なIRセミナーのそれに近かったです。
時間が30分と限定されている上に、メインのIRセミナーの企画として実施されているのではないものであることからプレゼンの狙い、意図を明確にしつつ、もっとエンターティンメント性を意識した内容にした方がよかったのではないかと思います。
アシックスはランニングシューズで有名ですし、その商品はよく知られたアスリートも使っていますから、まずそのあたりを短時間の動画などでドーンと示す。駅伝などで履かれるシューズのシェアも一時のナイキ厚底席巻状態から戻してきているようですから、そのあたりの工夫とか科学的な分析の現状等々、一般の人が見て、すごいね!とか、なるほど~!と思えるような「つかみ」の内容の工夫はできそうです。
・どこが中心的に伝えたい内容なのか伝わりにくい。
資料に即してスムーズに話されているものの、どこが強調したい、伝えたいポイントなのかわかりにくい。
ランニングシューズを中心に、様々なスポーツ向けのシューズ、オニツカタイガーブランド、ウォーキングシューズ、アパレル等、幅広いカテゴリーの商品で世界市場で業績を伸ばしている。
売上、利益、利益率とも伸長、改善し、株価も高値圏で評価も高まっている。
中期経営計画を策定し、さらに業績を伸ばしていきたい。詳しい内容はサイトに掲載。
株主優待も設定している。株式分割で買いやすい株価になる。優待は割引率も高く、直営店でもネットショップでも使える。ぜひ投資対象として検討してみてほしい。
といったところを端的に、わかりやすい資料で伝えられれば、それでいいのではないかと思うのですが、細かい点まで話しすぎて焦点がぼけている印象でした。
・資料は会場内の大型モニターに示されるのみで全体には配布されていなかったです。それ自体はこの企画としては悪くはないです。紙の資料は会場外のところに用意はされていました。ただ、プレゼンの中でその案内はありませんでした。数に限りはありますが紙の資料も用意している旨は伝えておくのがよかったかと。
また、紙の資料の方は表裏印刷はいいのですが、印刷の方向が表裏で逆になっていました。通常、こういう印刷はしません。資料としては見にくいです。
資料が会社のIRサイトの方に載っているかと思って見てみましたが、なかったです。IRセミナーで専用の資料を用意した場合はIRのライブラリーなどにそれが入っているとあとからも参照できてよいです。
・折角、商品を展示するなら、桐生選手のモデルとか特徴のある商品をいくつか、その特徴とともに示すようなディスプレスがあってもいいかと思います。厚底シューズの解説などもあると面白いかも。
中期経営計画2026はこちらに掲載されています。内容は明快でわかりやすいものです。北米でのシェア向上目標などはかなりチャレンジングなもののように思います。
学校向けの製品などは代理店経由の販売で利益率も低めということで徐々に撤退する方向もあるようです。そうした選択と集中をさらに進めれば、利益率もさらに向上する可能性もあるように感じました。例えば、利益率があまり高くないようなアパレル分野を切り離す、ブランドは維持するとしても売却するようなことも考えられないかと思いました。(個人的には年末のアパレル福袋でアシックスブランドのものを購入し、入っていた長いグランドコートなどを使ってますが)。
これから株式分割で若干の株数をPFに組み入れるのはしやすくなります。個人的には優待も魅力的で年に一回程度は直営店でウォーキングシューズを購入し常用しています。製品への信頼性も高いです。個人的には株式投資を開始して最初に利益を確定した銘柄でもあります。
ブースでもあれこれ聞いたり、上記の見解を伝えたりしましたが、今後のIR活動への取り組みもまた色々工夫してもらいたいです。株主、あるいは投資家対象の研究所見学も含めた見学会とかIRセミナーなんかも、あれば参加してみたいですね。